No.569 2004/01/04 奄美大島・手広ビーチ
天気:晴のち曇 水温:約 22℃
二日続けて手広ビーチに行ってきました。
当初、沖の根の付近の新しい場所を調査しようと思い入ったのですが、妻がエントリーしてくるまで、水深1m位の場所でウミウシを探していたら、アメフラシの仲間のものと思われる卵塊からミノウミウシの仲間が見付かってしまいました。
見た瞬間は卵塊から見付かったこともあり、チゴミノウミウシかな?と思ったのですが、肉眼で見てもミノの雰囲気が違うのがわかります。
さっと1枚撮影して確認してみると、どうやら初めて見る種類のようです。これは詳細に撮影しないわけにはいきません!
気が付くと、かなりの時間撮影していて、妻も沖に行くのはあきらめたようで、私の直ぐ近くで ウミコチョウの仲間を探し出してました。
チゴミノウミウシの仲間を撮影し終えて、妻が探し出したウミコチョウの仲間を見ると、なにやらこれも初めて見る種類のようでうす。
水中では、アユカワウミコチョウかな?と思ったのですが、後で調べてみるとどうも模様など違うようです。
管の部分がシンプルな点などから、Gastropteron ? sp. として登録しましたが、今後の調査が必要だと思います。
このウミコチョウの仲間は、ほぼ同じ場所から4個体確認できました。
最初に見付けた チゴミノウミウシの仲間ですが、この個体も種がわからなく Favorinus sp. としました。
2個体が同じアメフラシのものと思われる卵塊から見付かっていますので、Favorinus 属のウミウシであることは、ほぼ間違いないと思います。
手広ビーチの浅瀬は、イワヅタの仲間や、ウミサボテン、ミルなどの海藻がだいぶ増えてきました。
それに伴いウミウシも増えてきたようで、ウチワミドリガイ、ヒラミルミドリガイ、ユリヤガイ、Cyerce sp. なども確認できました。
ユリヤガイも簡単に見られてしまい、ちょっと拍子抜けしてしまうほどです。
今回、ゴクラクミドリガイ科の不明種(Elysiidae sp.)とした個体がいるのですが、この個体、どうも体の後ろ半分位を欠損しているようです。
このウミウシが手広ビーチで1個体だけとは思えないので、次回は欠損していない個体を探してみます
「ウミウシガイドブック沖縄・慶良間諸島の海から」のオキナワキヌハダウミウシの掲載ページに、ver.2 として掲載されている個体とほぼ同じウミウシを確認できました。
この場所からは、普通の オキナワキヌハダウミウシ も確認していることから、何か関係があるのかもしれません。
この個体は、現在のところ「オキナワキヌハダウミウシ?の仲間 Gymnodoris cf. okinawae」として登録しました。
チゴミドリガイ が2個体で絡み合っているシーンを目撃しました。
しばらくすると別のもう1個体が寄ってきて、最初に絡んでいたもう1個体と絡み始めました・・・はたしてこれが交接なのかどうかは不明ですが、初めて見るとても興味深い行動でした。
奄美大島・手広ビーチで出会ったウミウシたち
チゴミノウミウシの仲間1 Favorinus sp. 1. ----- 2個体
ガストロプテロンの仲間4 Gastropteron ? sp. 4 ----- 4個体
キイロウミコチョウ Siphopteron flavum ----- 1個体
ウチワミドリガイ Elysiella pusilla ----- 1個体
ゴクラクミドリガイ科の不明種3 Elysiidae sp. 3. ----- 1個体
ヒラミルミドリガイ Elysia trisinuata ----- 1個体
ユリヤガイ Julia japonica ----- 1個体
ウロコウミウシ属の仲間3 Cyerce sp. 3. ----- 1個体
ハナミドリガイ Thuridilla splendens ----- 3個体
チゴミドリガイ Thuridilla livida ----- 6個体
ヨゾラミドリガイ Thuridilla vatae ----- 3個体
オキナワキヌハダウミウシ?の仲間 Gymnodoris cf. okinawae ----- 1個体
キヌハダウミウシ属の仲間8 Gymnodoris sp. 8. ----- 1個体
ツノクロミドリガイ Elysia sp. 5. ----- 多数
コノハミドリガイ Elysia ornata ----- 2個体
エンビキセワタガイ Odontoglaja guamensis ----- 2個体
ニシキツバメガイ Chelidonura hirundinina ----- 3個体
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