No.561 2003/12/18 奄美大島・手広ビーチ 
天気:晴れ 水温:約 22℃


 今日は中野理枝さんと妻と三人で、太平洋側のビーチポイント手広ビーチで潜ってきました。

 このポイントは奄美大島に移住するまでは潜ったことのない場所だったのですが、移住後潜ってみたらかなり楽しいポイントだったという場所です。
 12月15日のログにも少し書きましたが、ここは、沖縄ちっくな浅瀬の水路を抜けるとなんと八丈島ちっくな根が現れるのです。
 ウミウシも八丈島に負けないくらい沢山いそうです。今の時期はまだウミウシが出始めなので、まだ最盛期ではないと思いますが、それでも多くの種と個体に出会えました。

 前回、調査で潜ったときは水路の場所で時間をかけすぎてしまい根ではあまりウミウシを探せませんでしたので、今日は一気に水路を抜けて根まで行きます(水路にもウミウシはいろいろ居るのですがね)。

 まったく波の無いビーチからエントリーすると、海の中の水も澄みきってます。

 水路に入ると砂の上に チドリミドリガイ がいました。1枚だけ撮影して移動します。

 外洋に面した根に出るまでの水路の所々に ハナミドリガイ や ヨゾラミドリガイ、チゴミドリガイ が砂以外になにも無い砂地(要するに普通の砂地)を這っているのを確認しました。砂地を好むような種ではないと思うのですが、何故このような場所で多数確認できたのかは今後の調査課題になりそうです。

 根に到着すると、ここからは各自自由行動といった感じでそれぞれ少し離れた場所でウミウシを探します。

 3人が見た個体を会わせると下のリスト(奄美大島・手広ビーチで出会ったウミウシたち)になるのですが、なかなかの成果です。

 ウミコチョウの仲間は3種類確認できましたが、前回のキイロウミコチョウを含めるとこの付近で4種類が確認できたことになります。

 センテンイロウミウシ や セトイロウミウシ などは、まだ体長10mmにも満たない小さな個体です。

 シンデレラウミウシ は前回見たのと同じ個体と思われるものが、少し根の沖よりで見付かりました。
 また、交接中の ゾウゲイロウミウシ も確認しています。

 スミゾメミノウミウシ もいました。11月の倉崎ビーチでは小さな個体ばかりで卵塊も確認できませんでしたが、ここの個体は倍位大きく、卵塊も確認できました。

 なんと、ホシゾラウミウシ は、ここ手広ビーチでも理枝さんが確認されてます。沖縄方面では希少種のようですが、奄美大島では比較的多い種なのかもしれませんね。

 「昔チリメン、今サラサ」の サラサウミウシ と ヒメコモンウミウシ も、理枝さんと妻が確認しています。

 どうやら、ウミウシシーズン・イン したようですね。

 上がり際の水路でもウミウシ探しをしたかったのですが昼食を予約している関係で、今日はさらっと オキナワキヌハダウミウシ だけを確認して上がりました。

奄美大島・手広ビーチで出会ったウミウシたち

チドリミドリガイ Plakobranchus ocellatus ----- 1個体
ハナミドリガイ Thuridilla splendens ----- 多数
ヨゾラミドリガイ Thuridilla vatae ----- 2個体
チゴミドリガイ Thuridilla livida ----- 2個体
サキシマミノウミウシ Flabellina bicolor ----- 多数
オキナワキヌハダウミウシ Gymnodoris okinawae ----- 2個体
キヌハダウミウシ属の仲間8 Gymnodoris sp. 8. ----- 1個体
ミカドウミウシの仲間1 Hexabranchus sp. 1. ----- 1個体
サラサウミウシ Chromodoris tinctoria ----- 1個体
セトイロウミウシ Chromodoris decora ----- 2個体
センテンイロウミウシ Hypselodoris maculosa ----- 3個体
キマダラウミコチョウ Siphopteron tigrinum ----- 2個体
クロフチウミコチョウ Siphopteron nigromarginatum ----- 3個体
トウモンウミコチョウ Sagaminopteron psychedelicum ----- 1個体
ヒメコモンウミウシ Chromodoris rufomaculata ----- 2個体
スミゾメミノウミウシ Protaeolidiella atra ----- 2個体
ゾウゲイロウミウシ Hypselodoris bullocki ----- 2個体
シンデレラウミウシ Hypselodoris apolegma ----- 1個体
タテヒダイボウミウシ Phyllidia varicosa ----- 1個体
コイボウミウシ Phyllidiella pustulosa ----- 3個体
ホシゾラウミウシ Hypselodoris infucata ----- 1個体
ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina ----- 多数



No.562 2003/12/18 奄美大島・ピアテグリ
天気:晴れ 水温:約 21〜22℃


 2本目は、奄美大島の北側のビーチポイント ピアテグリ に入ります。
 ウミウシは特別多い場所ではないのですが、かなり珍しいと思われる エンビキセワタガイ のカラーバリエーション個体が出現するなど、理枝さんに紹介しないわけにはいかない場所です。

 エントリーして、まずは、エンビキセワタガイ のカラーバリエーション個体を確認した水深13m付近まで潜行します。
 水深5mを過ぎたあたりから、ものすごく泥っぽくなり薄暗くなります。
 この水深は生物もあまり見かけないのですが、ウミウシも例外ではなく、今回はなにも見付かりませんでした。

 気を取り直して水深5m付近まで戻ります。
 ここまでくれば、生物も豊富でウミウシもなにかしら見ることができます。

 岩のてっぺんで チータウミウシ がじっとしています。前回も移動中のチータウミウシを確認しているので、この場所では多い種のようです。じっとしている個体は、二次鰓を出してはくれませんでした・・・

 以前から居るとは聞いていた シライトウミウシ にやっと出会えました。
 妻が見付けてくれたのですが、わりとわかりやすい場所にいました。
 私は2個体を観察したのですが、それぞれ、背面の白い部分が青っぽい個体と、真っ白い個体でした。
 シライトウミウシ はなかなか見ごたえのあるウミウシですし、私は今まであまり出会う機会がなかったウミウシなので、いつまでもこの場所で子孫を残していってほしいものです。

 前回も多数確認できた 白い半透明の キヌハダウミウシ が、今回も多数確認できました。そして今回も交接中の個体がいました。

 妻が、ビワガタナメクジ を見付けてきました。
 着いていた石と同じような色彩で、見事なカモフラージュです。思えば、奄美大島で ビワガタナメクジ を確認するのは今回が初めてでした。
 また、妻は、ホンクロシタナシウミウシ の色違いの個体が2個体で寄り添っているところも撮影してました。
 私が以前よく通った、神奈川県真鶴町の三ツ石海岸に居るようですね。

 理枝さんが居ないなぁ〜と思ったら、少し離れた場所で ワモンキセワタガイ の幼体と思われる個体を撮影していました。
 私はまだ見たことがないのですが、ピアテグリに居るとわかれば話は別です。いつかきっと出会えると確信しました!

 理枝さんと妻が上がった後、私のいつもの癖でちょっとだけ粘ってウミウシを探してました。
 すると、白と黒の色彩のミノウミウシの仲間が見付かりました。
 頭の中のデータベース(あまりあてになりませんが)に問い合わせしたところ、今までに見たことがないウミウシのようです。
 まずは、いろいろな角度から詳細に撮影しました。

 自宅に帰って Sea Slug Forum で調べたところ、Herviella mietta というウミウシに外観が一致します。
 Sea Slug Forum に掲載されている画像は、正基準標本( holotype )のもので不鮮明な画像です。
 通常、Sea Slug Forum では生態写真を掲載するようなのですが、わざわざこんな不鮮明な標本画像を使用しているところから生態写真が存在しないか、もしくはフォーラムへの提供が無いのかもしれません。

 今回、撮影した画像をフォーラムに送ったところ、最短でラドマン先生のコメントをいただくことができました。

 ラドマン先生のコメントによると、先生が知るかぎりではこのウミウシの報告は、マーシャル諸島とハワイ諸島からの記録しかないそうで、今回の奄美大島(日本)からの報告は分布の拡張においてとても興味深いとコメントされてます。
 このウミウシはイソギンチャクの仲間を食べると思われているのですが、確かに近くからは多くのイソギンチャクを確認しています。
 このウミウシの生態等、今後も調査を続けたいと思います。

奄美大島・ピアテグリで出会ったウミウシたち

マダライロウミウシ Risbecia tryoni ----- 1個体
シライトウミウシ Chromodoris magnifica ----- 3個体
キヌハダウミウシ Gymnodoris inornata ----- 多数
ビワガタナメクジ Dolabrifera dolabrifera ----- 1個体
ホンクロシタナシウミウシ Dendrodoris nigra ----- 2個体
ワモンキセワタガイ Philinopsis pilsbryi ----- 1個体
ヘルウィエッラ・ミエッタ(学名読み) Herviella mietta ----- 1個体

学名の読み:クロモドーリス マグニフィカ シライトウミウシ
Chromodoris
magnifica
学名の読み:クロモドーリス マグニフィカ シライトウミウシ
Chromodoris
magnifica
学名の読み:ゴニオブランカス デコラ セトイロウミウシ
Goniobranchus
decora
学名の読み:ヒュプセロドーリス マクローザ センテンイロウミウシ
Hypselodoris
maculosa
学名の読み:ヒュプセロドーリス マクローザ センテンイロウミウシ
Hypselodoris
maculosa
学名の読み:ヒュプセロドーリス ブロックイ ゾウゲイロウミウシ(新参異名:ハダイロウミウシ)
Hypselodoris
bullocki
学名の読み:ヒュプセロドーリス ブロックイ ゾウゲイロウミウシ(新参異名:ハダイロウミウシ)
Hypselodoris
bullocki
学名の読み:ゴニオブランカス・レティクラータス チリメンウミウシ
Goniobranchus
reticulatus
学名の読み:リスベキア トリュオンイ マダライロウミウシ(新参異名:チータウミウシ)
Risbecia
tryoni
学名の読み:ジムノドーリス・オキナワエ オキナワキヌハダウミウシ
Gymnodoris
okinawae
学名の読み:ジムノドーリス・オキナワエ オキナワキヌハダウミウシ
Gymnodoris
okinawae
学名の読み:ジムノドーリス・イノルナータ キヌハダウミウシ
Gymnodoris
inornata
学名の読み:ジムノドーリス・イノルナータ キヌハダウミウシ
Gymnodoris
inornata
学名の読み:ジムノドーリス・イノルナータ キヌハダウミウシ
Gymnodoris
inornata
学名の読み:ヘグザブランクス ミカドウミウシの仲間1
Hexabranchus
sp. 1
学名の読み:ヘグザブランクス ミカドウミウシの仲間1
Hexabranchus
sp. 1
学名の読み:ヘグザブランクス ミカドウミウシの仲間1
Hexabranchus
sp. 1
学名の読み:デンドロドーリス ニグラ ホンクロシタナシウミウシ
Dendrodoris
nigra
学名の読み:フュリッディア コエレスティス ソライロイボウミウシ
Phyllidia
coelestis
学名の読み:フラベッリナ・ビカラー ケラマミノウミウシ
Flabellina
bicolor
学名の読み:プロタエオリディエッラ アトラ スミゾメミノウミウシ または セスジスミゾメミノウミウシ
Protaeolidiella
atra
学名の読み:ヘルウィエッラ ミエッタ ヘルウィエッラ・ミエッタ(学名読み)
Herviella
mietta
学名の読み:ヘルウィエッラ ミエッタ ヘルウィエッラ・ミエッタ(学名読み)
Herviella
mietta
学名の読み:ヘルウィエッラ ミエッタ ヘルウィエッラ・ミエッタ(学名読み)
Herviella
mietta
学名の読み:シポプテロン チグリヌム キマダラウミコチョウ
Siphopteron
tigrinum
学名の読み:シポプテロン ニグローマルギナトゥム クロフチウミコチョウ
Siphopteron
nigromarginatum
学名の読み:シポプテロン ニグローマルギナトゥム クロフチウミコチョウ
Siphopteron
nigromarginatum
学名の読み:ドラベッラ ドラブリフェラ ビワガタナメクジ
Dolabrifera
dolabrifera
学名の読み:ドラベッラ ドラブリフェラ ビワガタナメクジ
Dolabrifera
dolabrifera



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