No.494 2003/03/13 奄美大島・倉崎ビーチ
天気:曇時々晴 水温:20℃


 奄美大島に行ってきました。
 前々から行ってみたいと思っていた場所です。その理由は、以前に現地サービスのネイティブシー奄美に勤めていた方から色々とウミウシの情報を頂いていて、とてもウミウシが多いということと、ネイティブシー奄美の目の前にある、セルフで潜れる「倉崎ビーチ」でのんびりウミウシ探しをしてみたかったからです。

 出発当日は朝から微熱があり、体調が良くありません。朝食をとりクスリを飲み、羽田発 9:00 の奄美大島行きJAS便の乗り込むと、奄美大島に着く頃にはだいぶ調子もよくなってきました。

 空港に着くと、宿泊・ダイビングともにお世話になるネイティブシー奄美のスタッフの方が迎えにきて下さってます。車に乗り込み奄美大島の海を見ていたら、どんどん元気になってきて潜る気100倍になってきました(朝の段階では今日はダイビングは止めようと思っていました)。

 チェックインして、ダイビングスタッフの大槻さんに今日のダイビングの申し込みをします。リクエストはもちろん「ウミウシ」です(妻はジョーフィッシュが見たいとリクエストして、しっかり見せてもらってました)。
 初日のダイビングは当初2本潜る予定でしたが、体調が良くなりかけているので、無理して明日以降潜れなくなるのが心配で1本だけにしました。しかし、1本でも十分楽しかったです。

 ブリーフィング時に大槻さんには、「ウミウシなら、珍しい、珍しくない関係なしに、なんでも見せてください」と伝えてエントリーしました。

 入ってすぐに「ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina」がいます。色が白っぽく薄い感じの沖縄によくいるタイプです。体長も90mmとかなり大型です。その後も同じような色彩・大きさの個体を多数見ました。

 私が「ムカデミノウミウシ」の撮影にてこずっていると(大きいウミウシもそれはそれで撮り難い)、妻は大槻さんになにやら見せてもらっているようです。行って見ると、それはなんともキレイなウミウシでした。その場は「カノコウロコウミウシ Cyerce kikutarobabai」かと思いましたが(これは、後日、多数見ました!)、後で調べると「ハナアマモウミウシ Hermaea zosterae」です。
 以前に八丈島でも見ているのですが、その時の個体は、ミノの部分が異様に短くかなり雰囲気が異なります。今回の個体の方が原記載に近いようです。
 このウミウシは。旧版のウミウシガイドブック慶良間偏では「cf. Aplysiosis sp. エビチャモウミウシ」となってますが、著者の小野さんによって再同定されてます。

 私が「ハナアマモウミウシ」に取り付かれたように撮影しているうちに、妻はいろいろ見せてもらっているようです。なんとか納得のいく撮影が出来たので、妻の方に行こうとすると、途中に「キイロウミウシ Glosodoris atromarginata」のペアがいます。しばらくその場から動かないような感じでしたので、とりあえず大きい方を撮影して移動しました。

 妻の所に行くと、なにやら小さな緑色のウミウシを撮影しています。私と交代しましたが、このウミウシ、小さいうえに(3mm位)よく動き、なかなかうまく撮影できません。しかも、撮影していたら、気が付かないうちに近くにいた別の小さなウミウシと入れ替わっていて、見失ってしまいました。
 で、それらのウミウシはなにかというと、なんと、初めに見た方は「ネオンモウミウシ Costasiella sp.」でした。ウミウシガイドブック慶良間偏によると、出版時、かなり珍しいウミウシだったようです(現在は不明)。もう一方のウミウシは「ツノクロミドリガイ(仮称) Elysia sp.」でした。今回、「ツノクロミドリガイ」はいたるところで見ることができ、大発生していました。

 またしても撮影に時間がかかっていると、妻がなにやらスゴイウミウシを見せてもらっているようで、私の方を見て呼んでいます。
 見に行って見ると、小さいけれど、なにやら変ったウミウシです。撮影してその場でプレビューして見ると、頭触手がヒゲのように出ています。どこかで見たことがある感じですが、その場は色々な角度から詳細に撮影して後で調べることにしました。その結果、以前に慶良間で小野にぃにぃに見せてもらった「カノコツノウミウシ Trapania sp.」と同じ種のようです。
 あの時は、ウミウシを撮影し始めたばかり、しかも、デジカメを使いはじめて3ヶ月位、クローズアップレンズも虫眼鏡を防水加工して作ったお粗末なものでした。今回は、デジカメにもなれていたし、じっくり撮影できたので、満足の行く写真が撮れました。
 もう一度撮影したいと思っていたウミウシだけに、とてもうれしかったです。

 ここから先は、見た順番がなんか曖昧なのですが・・・撮影した順番では以下のようになってました(笑)

 「アオスジリュウグウウミウシ Tambja morosa」もいました。相変わらず、このウミウシの撮影は苦手で、体表の青い模様を上手く表現しようとすると、背景が露出オーバーで飛んでしまいます。本当は、背景をヌケばよいのですが、なかなか思ったように「アオスジリュウグウウミウシ」がポーズをとってくれませんでした。

 だいぶ奥(と、いっても8〜9m付近ですが・・・)に「スミゾメミノウミウシ Protaeolidiella atra」がいました。
 背中にスジがあるので「セスジスミゾメミノウミウシ Protaeolidiella juliae」と言いたい所ですが、どうもこの2種は、解剖学上同じ種となるようです。
 1個体しか確認できませんでしたが、ソフトコーラルには、ピンク色の卵塊も着いていました。

 「トウアカミドリガイ Thuridilla kathae」も多く見かけた気がします。真上から見ると「目」がよく確認できて、なんとも愉快な顔つきを確認できます。

 岩陰の更に奥を覗くと「コイボウミウシ Phyllidiella pustulosa」がいました。デジカメを突っ込んで撮影したのですが、届かなくてピントが合いませんでした。

 「コナユキツバメガイ Chelidonura amoena」は、1個体見付かったら次からつぎへと見付かりました。妻は「ミョウガ!ミョウガ!!」と喜んでました(私も同感)。

 「クロヘリアメフラシ Aplysia parvula」は、沖縄型というか、慶良間でよく見るタイプの個体がいました。でもこれに近いタイプは日本海の越前でみ見られるのですよ。恐らく対馬海流の影響ではないかと考えています。

 しばらく、黒っぽいウミウシ見ていたところに、色鮮やかな「サビウライロウミウシ Hypselodoris purpureomaculosa」を見せていただきました。いやぁ〜キレイですね。エアーブラシで書いたような模様がなんといえません。

 帰る途中、私だけもたもたしていたら、サンゴの表面に色鮮やかな(というかちょっとキツメの色彩の)「ゴシキユビウミウシ Bornella anguilla」がいました。このウミウシの和名ですが、「ヒオドシユビウミウシ」の方が一般的だと思います(私も、海から上がった時、ヒオドシユビウミウシいたよって言ってますし)。しかし、和名が提唱された順番を整理してみると、どうやら「ゴシキユビウミウシ」の方が先のようです。

 最後に妻が見つけた「キカモヨウウミウシ Chromodoris geometrica」を撮影して上がりました。

 時計を見ると、潜水時間は100分です。
大槻さん、のんびり、じっくりダイビングに、お付き合いしていただいてありがとうございました。色々見せていただいて、とても楽しかったです。

 「ヨゾラミドリガイ」、「ムラサキウミコチョウ」、「シロアミミドリガイ」は、妻が撮影してました。私は、他のウミウシ撮影に時間がかかりすぎて見逃していたようです(苦笑)。

 明日からは、妻と2人でさらにのんびり倉崎ビーチを潜ります。


奄美大島・倉崎ビーチ で出会ったウミウシたち

ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina ----- 多数
ハナアマモウミウシ Hermaea zosterae ----- 1個体
キイロウミウシ Glosodoris atromarginata ----- 2個体
ネオンモウミウシ Costasiella sp. ----- 1個体
ツノクロミドリガイ Elysia sp. ----- 多数
カノコツノウミウシ Trapania sp. ----- 1個体
アオスジリュウグウウミウシ Tambja morosa ----- 1個体
スミゾメミノウミウシ Protaeolidiella atra ----- 1個体
トウアカミドリガイ Thuridilla kathae ----- 3個体
コイボウミウシ Phyllidiella pustulosa ----- 1個体
コナユキツバメガイ Chelidonura amoena ----- 多数
クロヘリアメフラシ Aplysia parvula ----- 3個体
サビウライロウミウシ Hypselodoris purpureomaculosa ----- 1個体
ゴシキユビウミウシ Bornella anguilla ----- 1個体
キカモヨウウミウシ Chromodoris geometrica ----- 1個体
ヨゾラミドリガイ Thuridilla vatae ----- 3個体
ムラサキウミコチョウ Sagaminopteron ornatum ----- 1個体
シロアミミドリガイ Thuridilla carlsoni ----- 2個体

※個体数については、今回は、明らかに3個体以上いたと思われるものを「多数」とします。

学名の読み:グロソドーリス アトロマルギナータ キイロウミウシ
Glossodoris
atromarginata
学名の読み:ゴニオブランカス ゲオメトリカ キカモヨウウミウシ
Goniobranchus
geometrica
学名の読み:ゴニオブランカス ゲオメトリカ キカモヨウウミウシ
Goniobranchus
geometrica
学名の読み:ヒュプセロドーリス プルプレオマクローザ サビウライロウミウシ
Hypselodoris
purpureomaculosa
学名の読み:ヒュプセロドーリス プルプレオマクローザ サビウライロウミウシ
Hypselodoris
purpureomaculosa
学名の読み:ヒュプセロドーリス プルプレオマクローザ サビウライロウミウシ
Hypselodoris
purpureomaculosa
学名の読み:トラパニア ツルガウミウシ属の1種1
Trapania
sp. 1
学名の読み:トラパニア ツルガウミウシ属の1種1
Trapania
sp. 1
学名の読み:トラパニア ツルガウミウシ属の1種1
Trapania
sp. 1
学名の読み:タンブヤ モローサ ミドリリュウグウウミウシ(新参異名:アオスジリュウグウウミウシ)
Tambja
morosa
学名の読み:ボルネッラ アングイリッア ヒオドシユビウミウシ(異名:ゴシキユビウミウシ)
Bornella
anguilla
学名の読み:ボルネッラ アングイリッア ヒオドシユビウミウシ(異名:ゴシキユビウミウシ)
Bornella
anguilla
学名の読み:プロタエオリディエッラ アトラ スミゾメミノウミウシ または セスジスミゾメミノウミウシ
Protaeolidiella
atra
学名の読み:プロタエオリディエッラ アトラ スミゾメミノウミウシ または セスジスミゾメミノウミウシ
Protaeolidiella
atra
学名の読み:プテラエオリディア イアンティナ ムカデミノウミウシ
Pteraeolidia
ianthina
学名の読み:トゥリディラ ケートアエ トウアカミドリガイ
Thuridilla
kathae
学名の読み:トゥリディラ ケートアエ トウアカミドリガイ
Thuridilla
kathae
学名の読み:コスタシエッラ ネオンモウミウシ
Costasiella sp.
aff. iridophra
学名の読み:コスタシエッラ ネオンモウミウシ
Costasiella sp.
aff. iridophra
学名の読み:ハルマエア ノト ノトアリモウミウシ
Hermaea
noto
学名の読み:ハルマエア ノト ノトアリモウミウシ
Hermaea
noto
学名の読み:ハルマエア ノト ノトアリモウミウシ
Hermaea
noto
学名の読み:ケリドヌラ  アモーエナ コナユキツバメガイ
Chelidonura
amoena
学名の読み:アプリュジア パルウラ クロヘリアメフラシ
Aplysia
parvula



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます