No.506 2003/05/10 伊豆・大瀬崎 湾内(1本目)
天気:晴れ 水温:20℃


 大瀬崎に行ってきました。
 思えば今年の潜り始めの1月2日以来です。毎年、「月1回は大瀬に行くぞ!」と思うのですが、なかなか実行できません・・・

 1本目は「岬の先端」の浅場でウミウシを探そうと思ったのですが、マリンサービスみやもと栗原さんに「先端はどうですか?」聞いたところ、浅場はカジメなどの海藻が凄くてウミウシ探しは困難とのこと。で、まずは湾内に入ることにしました。

 エントリーして直ぐの石の下を見ると、体長15mmほどの「ウミフクロウ Pleurobranchaea japonica」がいました。更に近くの石の裏を見ると、ほぼ同じ大きさの「ウミフクロウ」がもう1個体いました。

 浅場は後回しにして、まずは沖の「ケイソン」と呼ばれているコンクリートブロックまで行くことにします。
 「ケイソン」には、ボートを係留する為の太いロープが岸近くまで伸びています。このロープ沿いにウミウシを探します。
 まず、直ぐに見つかったのが「アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis」です。今日はナイトも潜る予定なので「たぶん夜に沢山見れるだろうな」と思い、ここは簡単に撮影して先を急ぎます。

 次に見つかったのが「イナバミノウミウシ Eubranchus inabai」です。最近の大瀬崎によく出ているそうです。
 私は昨年の夏に北陸の越前で見ていますが、大瀬崎では初めてみました。早速撮影&観察です。ここで、かなり時間が掛かってしまいました。
 「イナバミノウミウシ」のすぐ近くには「シロガヤ」に「ヒイラギウミウシ Doto pita」が2個体、それぞれ白い個体と黒い個体で付いています。
 黒い個体の隣には卵塊も確認できました。

 更に先に進むとこんどは、なにやら見なれないウミウシを見つけます。その姿は肉眼で見ると「Cyerce属」か「Eubranchus属」のように見えます。
 まず1枚撮影して、デジカメのモニターで観察すると、ミノの形状からして明らかに「Eubranchus属」のウミウシのようです。
 どこかで見たことがあるなと思いながらも、わかりません。まずは詳細に撮影して、後でじっくり調査することにします。
 「Eubranchus属」の場合、頭部付近のフットコーナーと呼ばれる部分から現われる触角状の突起の観察も重要です。
 この部分を観察するには腹足側(裏側)から観察するのがベストです。今回は、こんなこともあろうかと透明なケースを用意しておきました。 腹足側の撮影も完了したところで、ダイブコンピュータの No DECO タイムが一桁になってます。
 結局、「ケイソン」までは辿り着けませんでした・・・

 浅場に戻ってきてから少しだけウミウシを探したところ「アカキセワタガイ Philine rubrata」が2個体見つかりました。

 「Eubranchus属」のウミウシですが、現在も調査中です。
 当初、「Eubranchus leopoldoi」のミノが派手な個体かな?と思っていたのですが、その後、ラドマン先生のサイトで調べると、「Eubranchus cf. rubropunctatus」にそっくりです。
 しかし、この「Eubranchus cf. rubropunctatus」ですが、「cf.」が付かない「Eubranchus rubropunctatus」と比べると触角の色彩や形状およびフットコーナーの突起の有無など、かなり違いがあり、私的には「cf.」と呼ぶには抵抗があります。
 むしろ、今回の大瀬崎の個体の場合、触角やフットコーナーの形状は「Eubranchus leopoldoi」にかなり類似しています。
 更にフォーラムの「Eubranchus leopoldoi」のミノにもかすかですが、黄色や青い色素が確認できます。
 これらのことから、大瀬崎の個体は(おそらくフォーラムの「Eubranchus cf. rubropunctatus」も)、「Eubranchus leopoldoi」に近い種なのではないかと思いました。
 しかし、「Eubranchus leopoldoi」はフォーラムの記載によると、カリブ海産です。通常では日本で見つかることは「まれ」だと思います(「ありえない」とは言い切れないと思います)。
 これらの疑問と大瀬崎の画像をラドマン先生に送りました。お返事が頂けるかどうかわかりませんが、更に調査が進むまでの間は大瀬崎のこの個体は「Eubranchus sp.」とすることにしました。

伊豆・大瀬崎 岬の先端 で出会ったウミウシたち(1本目)

ウミフクロウ Pleurobranchaea japonica ----- 2個体
アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ----- 2個体
イナバミノウミウシ Eubranchus inabai ----- 2個体
ヒイラギウミウシ Doto pita ----- 2個体
ホリミノウミウシ属の仲間 Eubranchus sp. ----- 1個体
アカキセワタガイ Philine rubrata ----- 2個体




No.507 2003/05/10 大瀬崎 湾内(2本目)
天気:晴れ 水温:20℃


 2本目も湾内です。
 1本目は、謎の「Eubranchus属」に時間がかかりすぎて「ケイソン」までたどりつけませんでしたので、今回はイッキに「ケイソン」まで行く計画です。
 途中、1本目に見た「ヒイラギウミウシ Doto pita」とは別の個体がいて、ちょっとだけ撮影&観察しましたが、なんとか辿り着きました。

 「ケイソン」の壁を丹念に見ていくと「ミツイラメリウミウシ Diaphorodoris mitsuii」がちらほらと見つかります。
 「久しぶりだねぇ〜」と声をかけて撮影しました(笑)。

 この場所は水深が深くあまり長居はできません。「ケイソン」周りをざっと一周探して戻ることにしました。
 「ケイソン」の周りでは、「オトメミドリガイ Elysia obtusa」が2個体と「フジエラミノウミウシ Cuthona ornata」が1個体、それとなにやら初めて見るミノ系のウミウシが1個体見つかりました。
 戻る前に「ケイソン」の上を探したところ、なんと「リュウグウウミウシの仲間 Tambja sp.」がいるではないですか!このウミウシは大瀬崎では「オセザキリュウグウウミウシ」と呼ばれていて、以前から見てみたかった種です。
 レモン藤田さんからは瀬戸内海から同じ種の交接シーンの報告も頂いてます。
 今回の個体は体長15mm程のこの種としては小さな個体でしたが、以前に写真でみた通りの黄色が鮮やかなウミウシでした。

伊豆・大瀬崎 湾内 で出会ったウミウシたち(2本目)

ヒイラギウミウシ Doto pita ----- 4個体
ミツイラメリウミウシ Diaphorodoris mitsuii ----- 5個体
オトメミドリガイ Elysia obtusa ----- 2個体
フジエラミノウミウシ Cuthona ornata ----- 1個体
ミノウミウシ亜目の仲間 AEOLIDINA sp. ----- 1個体
リュウグウウミウシの仲間 Tambja sp. ----- 1個体
オカダウミウシ Vayssierea felis ----- 3個体位




No.508 2003/05/10 大瀬崎 湾内(3本目 ナイトダイビング)
天気:晴れ 水温:20℃


 2本潜ったところで少し休憩です。車に戻って4時間ほど昼寝しました。
 18時頃からサービスに降りてきて、ナイトダイビングの準備です。
 他にも3名ナイトダイビングをやるお客さんがいて、しばし雑談しましたが、それぞれみなさん海の生物に対する熱い思いがあり、なかなか有意義な時間でした。

 19時過ぎにエントリーして、昼間とほぼ同じコースを潜り、「ケイソン」に繋がっているロープ沿いにウミウシを探します。
 直ぐに目に付いたのが「アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis」です。よく見るとそこらじゅうにいます。明らかに夜行性ですね。
 更に先に進むと「イナバミノウミウシ Eubranchus inabai」がいました。これもよく見るとそこらじゅうにいます。
 2個体で「おしり」を合わせるようにくっついている個体がいます。「もしかして交接!?」と思い色々な角度から撮影しましたが、交接器らしきものは確認できません。交接ではないようですね。
 しかし、「イナバミノウミウシ」も、昼間と比べてこの数の多さからして夜行性だと思います。

 「シロガヤ」を見てみると、昼間と同じように「ヒイラギウミウシ Doto pita」がいます。昼間よりも明らかに個体数が多かったです。卵塊の近くにいる個体もいて活発に活動している様子でした。

 気が付くと、ダイブコンピューターの「No DECO タイム」が一桁になっています。どうやら「イナバミノウミウシ」と「ヒイラギウミウシ」の観察&撮影に時間をかけ過ぎたようです。とても「ケイソン」までは行けそうにないので、ここで戻ることにしました。

 途中「ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor」が2個体いました。

 行きに見た「イナバミノウミウシ」が2個体でくっ付いていたところをもう一度見ようと、目印を置いておいたのですが、その場所には「イナバミノウミウシ」が1個体だけしかいませんでした。もう1個体は離れてどこかに行ってしまったようです。

 更に戻ると、こんどは「アカエラミノウミウシ」が2個体で、それぞれほんの少し離れたところにいます。「おっ!これは交接するかな!?」と思いしばらく観察することにしました。
 静かにじっと見ていると、2個体が寄り添ってきました。「お!いけいけ!!」と思っていると、すれ違うように離れていきます。かと思えば、またUターンしてきてくっ付きます。でも交接器は出してません・・・
 「お〜いいっ!、こっちは3本目で、あんまり長居はできないんだよぉ〜」、「やるなら、はやくやってくれ!(失礼・・)」とレギュレーター越しにゴボゴボ言っても伝わるはずもなく、結局、交接シーンは観察できませんでした。
 交接シーンを確認できれば、交接中に現われると思われる「アカエラミノウミウシ」のイボ状突起が確認できると思ったのですが・・・。

 最後にロープ上で、初めて見るミノ系のウミウシを見付けました。栗原さんも以前に確認している種ですが、不明種とのこと。現在調査中です。
 栗原さんと、水中でネタ交換して、真っ赤な(本当に真っ赤な)「Gymnodoris sp.」を見せていただきました。おなじような真っ赤な個体を下田の磯で、肌色っぽいピンク色の個体を真鶴の磯で確認しています。
 一見「キヌハダウミウシ」や「キヌハダモドキ」のように見えるのですが、頭部の形状や二時鰓の位置からどちらにも当てはまらないようです。

伊豆・大瀬崎 湾内 で出会ったウミウシたち(3本目 ナイトダイビング)

アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ----- 多数
イナバミノウミウシ Eubranchus inabai ----- 多数
ヒイラギウミウシ Doto pita ----- 多数
ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor ----- 2個体
ミノウミウシ亜目の仲間 AEOLIDINA sp. ----- 1個体
キヌハダウミウシ属の仲間 Gymnodoris sp. ----- 2個体

学名の読み:ディアポロドーリス ミツイイ ミツイラメリウミウシ
Diaphorodoris
mitsuii
学名の読み:タンブヤ ニシキリュウグウウミウシ属の1種1
Tambja
sp. 1
学名の読み:タンブヤ ニシキリュウグウウミウシ属の1種1
Tambja
sp. 1
学名の読み:タンブヤ ニシキリュウグウウミウシ属の1種1
Tambja
sp. 1
学名の読み:タンブヤ ニシキリュウグウウミウシ属の1種1
Tambja
sp. 1
学名の読み:ジムノドーリス・スボルナタ ヒメキヌハダウミウシ?
Gymnodoris
cf. subornata
学名の読み:ジムノドーリス・スボルナタ ヒメキヌハダウミウシ?
Gymnodoris
cf. subornata
学名の読み:ジムノドーリス・スボルナタ ヒメキヌハダウミウシ?
Gymnodoris
cf. subornata
学名の読み:ドト ピタ ヒイラギウミウシ
Doto
pita
学名の読み:ドト ピタ ヒイラギウミウシ
Doto
pita
学名の読み:ドト ピタ ヒイラギウミウシ
Doto
pita
学名の読み:ドト ピタ ヒイラギウミウシ
Doto
pita
学名の読み:ドト ピタ ヒイラギウミウシ
Doto
pita
学名の読み:ドト ピタ ヒイラギウミウシ
Doto
pita
学名の読み:エウブランクス イナバイ イナバミノウミウシ
Eubranchus
inabai
学名の読み:エウブランクス イナバイ イナバミノウミウシ
Eubranchus
inabai
学名の読み:エウブランクス イナバイ イナバミノウミウシ
Eubranchus
inabai
学名の読み:エウブランクス イナバイ イナバミノウミウシ
Eubranchus
inabai
学名の読み:エウブランクス タマガワミノウミウシ
Eubranchus
leopoldoi
学名の読み:エウブランクス タマガワミノウミウシ
Eubranchus
leopoldoi
学名の読み:エウブランクス タマガワミノウミウシ
Eubranchus
leopoldoi
学名の読み:エウブランクス タマガワミノウミウシ
Eubranchus
leopoldoi
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシの仲間2
Eubranchus
sp. 2
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシの仲間2
Eubranchus
sp. 2
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシの仲間2
Eubranchus
sp. 2
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシの仲間2
Eubranchus
sp. 2
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:クトナ ディウィルシコロル ゴシキミノウミウシ
Cuthona
diversicolor
学名の読み:クトナ オルターナ フジエラミノウミウシ
Cuthona
ornata
学名の読み:クトナ オルターナ フジエラミノウミウシ
Cuthona
ornata
学名の読み:クトナ オルターナ フジエラミノウミウシ
Cuthona
ornata
学名の読み:アエオリディダ ミノウミウシ小目の不明種3
Aeolidida
sp. 3
学名の読み:アエオリディダ ミノウミウシ小目の不明種3
Aeolidida
sp. 3
学名の読み:アエオリディダ ミノウミウシ小目の不明種3
Aeolidida
sp. 3
学名の読み:アエオリディダ ミノウミウシ小目の不明種3
Aeolidida
sp. 3
学名の読み:プレウロプランカエア ジャポニカ ウミフクロウ
Pleurobranchaea
japonica
学名の読み:プレウロプランカエア ジャポニカ ウミフクロウ
Pleurobranchaea
japonica
学名の読み:フィリネ ルブラータ アカキセワタ
Philine
rubrata



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます