No.467 2002/05/11 伊豆・大瀬崎 湾内(ナイトダイビング)
天気:霧雨 水温:19℃ 透明度:不明


 大瀬崎でナイトダイビングをしてきました。大瀬でのナイトは8年ぶり位だと思います。
 今回、ナイトをやろうと思ったのは、当サイトの伝言版に「栗原さん」が「サガミコネコウミウシ」と「ネコジタウミウシ」が入り混じった(総計10個体!)「ネコ屋敷」写真をUPして下さったのがキッカケです。
 しかも、その写真の中には産卵している個体もあるではないですか!ということは、そろそろ終わりの時期かもしれません-----
と、いうことで、早速「 マリンサービスみやもと」の栗原さんに連絡して、「ネコ屋敷ツアー」をお願いしました。

 コネコ系が大好きな、妻も一緒に潜る予定でしたが、朝から鼻風邪をひいてしまい、ダイビングはちょっとキツそうだったので私一人で行きました。
ナイトダイビングを1本だけなので、午後に家を出ます(なんか変な感じがします)。
 大瀬崎に到着して、まずは「栗原さん」にご挨拶です。伝言版では頻繁にやり取りしているのですが、実際にお会いするのは今日がはじめてです。
ナイトの時間まで間があったので、栗原さんの秘蔵ウミウシ画像を見せていただいたり、大瀬崎のウミウシについての「傾向と対策」を教えていただいたりと、とても勉強になりました。

 ウミウシの話をしていたらあっというまにナイトの時間になってしまいました。
エントリーして直ぐに、早速、ウミウシを見せていただきます。「ウミフクロウ Pleurobranchaea japonica」です。
以前にも昼間の大瀬で「フクロノリ」の影にいた個体を見たことがありますが、ナイトでは、すごい数のウミフクロウが桟橋の壁や、岩肌に出ています。明らかに「夜行性だな」と感じました。
 「ウミウフクロウ」は、肉食(雑食?)のウミウシのようですが、夜になると海底を徘徊して餌を探している感じです。

 同じく、桟橋の壁や海底には「アメフラシ Aplysia kurodai」も多数いました。餌を食べているように見える個体や産卵中のような個体もいます。昼間もよく見かけるのですが、アメフラシには昼も夜もないのでしょうか?。
 また、昼間は岩陰でじっとしている所をよく見かける「タツナミガイ Dolabella auricularia」も夜は、活発に動き回ってました。
 「クロヘリアメフラシ Aplysia parvula」も確認しました。個体数は少ないようでしたが、昼と同じような感じで活動してました(餌を食べていた様子です)。

 「クモガタウミウシ Platydoris speciosa」も大中小と3個体いましたが、やはりなんとなく昼間と違って活発な様子です。岩の側面にいた個体を撮影しようとライトを当てたのですが、岩影に逃げていきました。

 桟橋の壁やロープには、ミノ系のウミウシもたくさん付いてました。
特に目に付いたのが「アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis」と「ヨンショクミノウミウシ(マリンサービスみやもと仮称)Godiva quadricolor」です。
 「Godiva quadricolor」はまだ和名が無いようですが、栗原さんが付けている仮称「ヨンショクミノウミウシ」は学名の「quadricolor」から想像すると、ぴったりな名称だと思います。
 しかし、「Godiva quadricolor」については、同定についてちょっと不明な部分もあるので(私的に)、とりあえず「Godiva cf. quadricolor」としておきます。和名も、とりあえずは「グラキダエ科の仲間」でしょうか。今回は、写真も今ひとつでしたので、近いうちに再度、観察&撮影しに行きたいと思ってます。

2002/07/23 追記:
「Godiva cf. quadricolor」ですが、ラドマン先生のフォーラムに問い合わせた所、「セトミノウミウシ Setoeolis inconspicua」ということになりました。
しかし、先生曰く越前の個体のコメントでは「もっと多くの研究が着手されるまでは セトミノウミウシ Setoeolis inconspicua (Baba, 1938) ということにしよう」ということですので、今後、研究者の方々の発表次第では、また新たな展開があるかも知れません(追記ここまで)。

 「アカエラミノウミウシ」は本当にたくさんいました。2個体で交接らしき行動をとっている個体もいました。
 アカエラミノウミウシだと思って撮影していた個体で後でよく見てみたら「エムラミノウミウシ Hermissenda crassicornis」と思える個体が写ってました。ロープ上のゆれる海藻に付いていた個体で、とても撮影しにくかった為、同定しにくい写真となってしまいました。

 エントリーして、ほとんど移動しないうちにこれらのウミウシに取り付かれてしまい、なかなか先に勧めませんでしたが、なんとかその場を振り切って深場へ向かうロープ沿いに進みはじめました。
 ロープ沿いをざっと探していっても、いろいろなウミウシたちが見つかります。
そんな中、偶然にも私が見つけたのが、念願だった「サガミコネコウミウシ Goniodoris felis」です。しばらく興奮状態が治まりませんでしたが、まず栗原さんに伝えてからじっくり撮影しました。
 体の上部が白くて、下部が半透明の茶色な為、撮影は難しいです。白い部分に露出をあわせれば、下の茶色い部分は真っ暗になってしまう----- 茶色い部分に合わせれば、白い部分は真っ白に飛んでしまう----- ストロボを調整しながら、何枚も撮影してなんとか撮影できました。
 角度を変えて真上からも撮影しましたが、自宅に帰って画像をチェックしていて発見しました。なんと、真上から見ると、白い部分が浮かび上がって、その形が「ネコ」のように見えるのです(触角が耳の部分でちゃんと「しっぽ」もあります)。今まで、なんでこのウミウシの和名に「ネコ」がつくのか不思議でしたが、これで納得しました。

 「サガミコネコウミウシ」を撮影し終えて、栗原さんの所に行くと、なんと!「クロコソデウミウシ Polycera hedgpethi」を見つけて下さってました。これも、凄く見てみたかったウミウシの一つです。サガミコネコウミウシの興奮が収まらないまま、また興奮状態になってしましました(笑)。

 またもや、ロープの途中でうれしい「足止め」をしてしまいましたが、今度は一気に深場(といっても−24m)の「ケイソン」まで行きました(途中、「コミドリリュウグウウミウシ Tambja amakusana」緑バージョンがいましたが、急いで撮影して、見事にピンボケでした----- )。
 ここは、私もよく行く場所なのですが、昼間でも比較的ウミウシが多い場所です。
早速、「ダイダイウミウシ Doriopsilla miniata」がいました。そのすぐ近くには「チシオウミウシ Aldisa cooperi」がいます。チシオウミウシは初めて見るウミウシですが、水中ライトに浮かび上がった、真っ赤な色はキレイです。
 次は「ヤマトウミウシ Homoiodoris japonica」(これは、もしかしたら別種かもしれません)、その次は「ダイオウタテジマウミウシ Armina major」という感じで、ケイソンの周りはほとんど探さなくてもウミウシが見つかるのですが、ここに来るまでに時間がかかりすぎたため、あまり長居はせずに浅場へ戻ることにしました。

 少し浅瀬に戻ってきたところで、4月に初めて確認した「ロマノータス属の仲間1 Lomanotus sp.」がいました。この個体はかなり大きく25mm近くあったと思います。

 そしていよいよ「ネコ屋敷」に到着です。しかし、ネコが見当たりません----- 卵が産み付けられていた「ウミウチワ」もとれてしまいなくなってしまったそうです。なんとか小さな、体長2〜3mm位の「サガミコネコウミウシ」を探していただきましたが、撮影失敗----- 写っていたのは近くの白い石のかけらでした。
まあ、行きがけに「サガミコネコウミウシ」は、ばっちり観察&撮影できたので、問題はありません。「ネコジタウミウシ」が見れなかったのはちょと残念ですが、こればっかりは「運」だと思います。一度に見てしまうと来年の楽しみが無くなってしまうので-----

 さらに浅瀬に移動したところで、「ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor」のペアが「シロカヤ」に付います。よく見るとその近くにも数個体います。このペアは小さな個体でしたが、少し離れたところには比較的大きな個体がいました。枝だけになってしまった「シロカヤ」にしがみついている感じです。きっと食べ尽くしてしまったのだと思います。

 すぐ近くの「フクロノリ」の上には「キヌハダモドキ Gymnodoris citrina」がいましたが、写真はピンボケでした(いろいろ見すぎて、集中力が無くなってきてます)。
 同じく近くの「フクロノリ」の上に「アカボシウミウシ Gymnodoris alba」もいました。これらのウミウシは、下田の磯でもよく見かけますが、日中はほとんど石の裏で見つかります。どうやら夜行性のようです

 さて、水深5〜6m付近に戻ってきてからが大変でした。
「マンリョウウミウシ Carmindoris armata」「ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni」はその場で見てすぐに名前が思い浮かぶのですが、名前のわからないウミウシがゴロゴロいます。
ログをUPするために、とりあえず「ドーリス系 不明種 DORIDACEA sp.」とした種が3種います。まだ、よく調べていないので今後も調査を進めます。何かわかりましたら追加情報&訂正を致します。
もし、「これは!」という情報がありましたら、伝言版にてアドバイスいただければうれしいです。

 今回、「ウミウシ観察&撮影」という目的では、はじめてのナイトダイビングでしたが、想像以上にウミウシが多くでていて驚きました。
 また、デジカメのターゲットライトがナイトでは光量不足で撮影はかなり困難でした。栗原さんにサポートしていただきなんとか撮影できましたが、ナイトダイビングでウミウシを撮影する為にライトを換える必要がありそうです(実は既に手配ずみ)。

 大瀬のウミウシに詳しい栗原さんにマンツーマンでガイドしていただき、大満足なナイトダイビングでした。
栗原さん、ありがとうございました。また、よろしくお願い致します。

※今回もウミウシの撮影に夢中で水深、サイズを正確に覚えていませんでした。サイズに関しては大体OKだと思いますが、水深については誤差が大きいと思います。ご了承ください。

伊豆・大瀬崎で出会ったウミウシたち

アメフラシ Aplysia kurodai ----- 多数
ウミフクロウ Pleurobranchaea japonica ----- 多数
タツナミガイ Dolabella auricularia ----- 多数
クロヘリアメフラシ Aplysia parvula ----- 2個体
クモガタウミウシ Platydoris speciosa ----- 3個体
メリベウミウシ Melibe papillosa ----- 2個体
アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ----- 多数
セトミノウミウシ Setoeolis inconspicua ----- 多数
エムラミノウミウシ Hermissenda crassicornis ----- 1個体
サガミコネコウミウシ Goniodoris felis ----- 2個体
クロコソデウミウシ Polycera hedgpethi ----- 2個体
コミドリリュウグウウミウシ Tambja amakusana ----- 1個体
ダイダイウミウシ Doriopsilla miniata ----- 1個体
チシオウミウシ Aldisa cooperi ----- 1個体
ヤマトウミウシ Homoiodoris japonica? ----- 1個体
ダイオウタテジマウミウシ Armina major ----- 1個体
ロマノータス属の仲間1 Lomanotus sp. ----- 1個体
ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor ----- 5個体
キヌハダモドキ Gymnodoris citrina ----- 1個体
アカボシウミウシ Gymnodoris alba ----- 1個体
ドーリス系 不明種 DORIDACEA sp. ----- 6個体?
マンリョウウミウシ Carmindoris armata ----- 1個体
ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni ----- 1個体

学名の読み:アルディサ クーパーイ チシオウミウシ
Aldisa
cooperi
学名の読み:アルディサ クーパーイ チシオウミウシ
Aldisa
cooperi
学名の読み:プラティドーリス エリオットイ クモガタウミウシ
Platydoris
ellioti
学名の読み:プラティドーリス クモガタウミウシ属の1種3
Platydoris
sp. 3
学名の読み:プラティドーリス クモガタウミウシ属の1種3
Platydoris
sp. 3
学名の読み:ホプロドーリス・アルマータ マンリョウウミウシ
Hoplodoris
armata
学名の読み:ホモイオドーリス ジャポニカ ヤマトウミウシ
Homoiodoris
japonica
学名の読み:ホモイオドーリス ジャポニカ ヤマトウミウシ
Homoiodoris
japonica
学名の読み:ドリディダエ ドーリス科の1種3
DORIDIDAE
sp. 3
学名の読み:ドリディダエ ドーリス科の1種3
DORIDIDAE
sp. 3
学名の読み:ドリディダエ ドーリス科の1種3
DORIDIDAE
sp. 3
学名の読み:ドリディダエ ドーリス科の1種3
DORIDIDAE
sp. 3
学名の読み:ドリディダエ ドーリス科の1種4
DORIDIDAE
sp. 4
学名の読み:ドリディダエ ドーリス科の1種4
DORIDIDAE
sp. 4
学名の読み:ゴニオドーリス フェリス サガミコネコウミウシ
Goniodoris
felis
学名の読み:ゴニオドーリス フェリス サガミコネコウミウシ
Goniodoris
felis
学名の読み:ゴニオドーリス フェリス サガミコネコウミウシ
Goniodoris
felis
学名の読み:ゴニオドーリス フェリス サガミコネコウミウシ
Goniodoris
felis
学名の読み:ポリュケラ ヘヂペスイ クロコソデウミウシ
Polycera
hedgpethi
学名の読み:ポリュケラ ヘヂペスイ クロコソデウミウシ
Polycera
hedgpethi
学名の読み:ポリュケラ ヘヂペスイ クロコソデウミウシ
Polycera
hedgpethi
学名の読み:ポリュケラ ヘヂペスイ クロコソデウミウシ
Polycera
hedgpethi
学名の読み:ジムノドーリス・アルバ アカボシウミウシ
Gymnodoris
alba
学名の読み:ドリオプシッラ ミニアータ ダイダイウミウシ
Doriopsilla
miniata
学名の読み:デンドロドーリス デニソンイ ミヤコウミウシ
Dendrodoris
denisoni
学名の読み:メリベ パピローザ ヒメメリベ(旧 メリベウミウシ)
Melibe
papillosa
学名の読み:ロマノトゥス ロマノータス属の1種1
Lomanotus
sp. 1
学名の読み:アルミナ マイヨル ダイオウタテジマウミウシ
Armina
major
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:ヘルミッセンダ クラシッコルニス エムラミノウミウシ
Hermissenda
crassicornis
学名の読み:セトエオリス インコンスピクア セトミノウミウシ
Setoeolis
inconspicua
学名の読み:セトエオリス インコンスピクア セトミノウミウシ
Setoeolis
inconspicua
学名の読み:セトエオリス インコンスピクア セトミノウミウシ
Setoeolis
inconspicua
学名の読み:セトエオリス インコンスピクア セトミノウミウシ
Setoeolis
inconspicua
学名の読み:クトナ ディウィルシコロル ゴシキミノウミウシ
Cuthona
diversicolor
学名の読み:クトナ ディウィルシコロル ゴシキミノウミウシ
Cuthona
diversicolor
学名の読み:プレウロプランカエア ジャポニカ ウミフクロウ
Pleurobranchaea
japonica
学名の読み:アプリュジア パルウラ クロヘリアメフラシ
Aplysia
parvula



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます