No.488 2002/09/22 伊豆・浮島 ビーチ・ドラゴンホール(1本目)
天気:曇り 水温:26℃ 透明度:12〜15m


 9月2回目の三連休も、西伊豆の浮島に行ってきました。
 先週は「キッカヒロウミウシ Phyllodesmium magnum」ねらいでビーチ右側を集中的に潜りましたが、今日は伝言板に情報のあった、イボ系の不明種ウミウシを観察する為「ドラゴンホール」を潜ります。

 まずは、サンセットリゾートのおしざわさんに現在の詳しい情報を教えていただき、早速見に行ってきました。
 ドラゴンホール(洞窟)内でをライトを当てながら探していると、おしざわさんに教えていただいた通りに例のイボ系ウミウシが見付かりました。まずは観察です。触角はどこかな〜と見てみますが、どこにも見当たりません。そんなはずは無いと、よく見てみますがありません。そうです。この時は私は、このウミウシの触角は黒と白のツートンカラーだと決め込んで見ていたのです。しかし、実際は薄い黄色、クリーム色のような色です。
 やっと触角を見つけましたが、これでこのウミウシが「Phyllidiopsis sinaiensis」であるという可能性はほとんど無くなりました。では、このウミウシは何?ということで、その場は、とりあえず触角を中心に詳細な撮影をしました。
 自宅に帰ってから、まずは報告ということで、このウミウシのことを伝言版に書き込みをしていたところ、それを横で見ていた妻が「これ、タマゴイロイボウミウシじゃん・・・」。直ぐに同じ日に浮島で撮影した一般的な色彩の「タマゴイロイボウミウシ」と見比べると次の瞬間、私は思わず「うっ!」とうなってしまいました。確かに「タマゴイロイボウミウシ」です。色合いこそ違うものの、触角の特徴や、模様パターンはそっくりです。と、いうことでこのウミウシは「タマゴイロイボウミウシ Fryeria menindie」の色素が薄い個体ということに落ち着きました。

 今日の最大の目的のウミウシの詳細な写真が撮影できたので、残った時間はその他のウミウシも探してみます。洞窟の反対側に、パッと見すぐに「タマゴイロイボウミウシ」とわかる個体がいました(いま思えば苦笑)。後で写真を整理していてわかったのですが、いままで沢山みていたと思っていた「タマゴイロイボウミウシ」ですが、ほとんど写真がありませんでした。今回もササッと撮影して別のウミウシを探しにいってしまったのですが、次回見ることがあったら別の角度からも撮影したいと思います。

 「タマゴイロイボウミウシ」の近くには「キイロイボウミウシ Phyllidia ocellata」もいましたが、岩と海綿に間に入り込んでいて全身を撮影することはできませんでした。この個体も色が薄かったです。浮島では過去に、もっと色の濃い、一般的な「キイロイボウミウシ」も確認しています。

 「キイロイボウミウシ」の近くに、真っ黒いウミウシがいました。撮影している時は「なんだろう?」と思っていたのですが、上がってから画像を確認するとどおやら「ホンクロシタナシウミウシ Dendrodoris nigra」のようです。沖縄の座間味で妻は見てますが、私は初めて見ました。発見時は海綿の横で丸まっていたのですが、撮影していると、体を伸ばして動き出しました。

 そのほか、洞窟の壁には小さな「アオウミウシ Hypselodoris festiva」がいます。先週、今週共に「アオウミウシ」はこのような小さな個体しか見ていません。

 洞窟の入り口付近に戻ってくると妻が「コナフキウミウシ Polycera sp.」を撮影しています。座間味や東伊豆の富戸で出会ってますが、いずれもジックリ観察、撮影できなかったウミウシです(富戸のときなどは、見たというよりも偶然写っていただけ・・)。
 妻も、それを知っていたのか、私が洞窟から戻ってくるまでいなくならないように見張っていてくれていたようです(感謝!)。思う存分観察&撮影し、こんどは入り口付近の壁を見てみます。普通サイズの「ウスイロウミウシ Hypselodoris placida」、「サラサウミウシ Chromodoris tinctoria」がいました。
 妻はもう戻りたい様子で入り口の外側(出口?)付近でウミウシを探してます。実はこのとき「ハクセンミノウミシ」と思い込んで「ネアカミノウミウシ Cratena cf. affinis」を撮影していたのです。確かに肉眼で見た感じは「ハクセンミノウミシ」にそっくりなのでしかたがないのですが、私も見たかったなぁ。
 2002/12 追記:
 大瀬崎、浮島、八丈島の個体写真をラドマン先生のフォーラムに送ったところ、大瀬崎と浮島の個体は「アカメミノウミウシ Cratena affinis」であることがわかりました。八丈島の個体が「アカメミノウミウシの仲間1(和名なし) Cratena cf. affinis」となります。大瀬崎と浮島の個体ではミノの根元の色が異なりますがこれは、摂食状態や生息状況によって変化するそうです。


 そろそろ戻ろうと思いながら壁沿いを見ていると、オレンジ色がキレイなウミウシがいます。その時はなぜか「セトイロウミウシ」と思い込んでいて、3、4枚撮影して戻ってしまいました。しかし、後で画像を確認すると、全然「セトイロウミウシ」ではありません。その後、伝言版にて、「カナメイロウミウシ Hypselodoris kaname 」とのアドバイスを頂きました。ウミウシガイドブック伊豆偏で確認したところ、確かに「カナメイロウミウシ」の幼体のようです。正確には幼体よりもちょっと大きい気がします。この個体は、見た感じではここからあまり動くような様子が無かったので、餌がある限りはその付近にいそうです。このまま成体になる過程を観察できればと思っています。

 ドラゴンホールを出てエキジット場所まで戻る途中では「ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni」「クロスジアメフラシ Stylocheilus striatus」「クロヘリアメフラシ Aplysia parvula」を見ることができました。特に「クロスジアメフラシ」と「クロヘリアメフラシ」はたくさんいました。

伊豆・浮島で出会ったウミウシたち(1本目)

タマゴイロイボウミウシ Fryeria menindie ----- 2個体
キイロイボウミウシ Phyllidia ocellata ----- 1個体
ホンクロシタナシウミウシ Dendrodoris nigra ----- 1個体
アオウミウシ Hypselodoris festiva ----- 1個体
ウスイロウミウシ Hypselodoris placida ----- 2個体
サラサウミウシ Chromodoris tinctoria ----- 1個体
コナフキウミウシ Polycera sp. ----- 1個体
アカメミノウミウシ Cratena affinis ----- 2個体
カナメイロウミウシ Hypselodoris kaname ----- 1個体
ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni ----- 1個体
クロスジアメフラシ Stylocheilus striatus ----- 多数
クロヘリアメフラシ Aplysia parvula ----- 多数




No.489 2002/09/22 浮島 ビーチ右側周辺(2本目)
天気:曇のち雨 水温:25℃ 透明度:3〜7m


 1本目を終えると、サービスは人であふれ返ってます。どおやら熱帯低気圧が台風になって東伊豆はかなり荒れているようです。それに比べて西伊豆の浮島はまったく静かな海です(まあ、池ではないので多少のウネリはありますが)。

 2本目はビーチに右側手前付近を潜ります。
 大潮の干潮時間と重なり、もともと浅い水深のビーチ右側がさらに浅くなってます。透明度も手前側は若干落ちていますが、小さいウミウシばかり見ている我々にはあまり関係の無いことです(笑)。
 エントリーすると浅瀬の岩肌には「クロスジアメフラシ Stylocheilus striatus」、「ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina」、「コノハミドリガイ Elysia ornata」が沢山います。

 先週いた「AEOLIDACEA sp.」が、またないかな?と探していると、石の上になにやらウミウシらしいきものが乗っかってます。本当にちょこんとのっかっている感じなのです。
 近づいて見てみると「ショウジョウウミウシの仲間」のようです。その場では種がわからなかったので、まずはいろいろな角度から撮影します。自宅に帰って調べてみると、どおやら「Madrella ferruginosa」か「Madrella sanguinea」のどちらかのようです。247さんによるとこれは「マドレラ フェルルギノサ(和名なし) Madrella ferruginosa 」とのことです。たぶん伊豆では珍しいウミウシだと思います。

 ビーチの所々では大小さまざまな「サキシマミノウミウシ Flabellina bicolor」を見かけました。小さいものは、10mm以下で大きいものは30mm以上あるのもいました。

 「キッカヒロウミウシ Phyllodesmium magnum」も健在でした。先週とほぼ同じ場所にいましたが、若干移動しているようです。2個体いたうちの大きい方は、今日は見ませんでしたので他の場所に移動したのかもしれません。このまま産卵して、また来年も見ることが出来たら嬉しいのですが、ベリジャー幼生が伊豆の冬を越せるかはどうかはわからないですね。

 「ユビノウハナガサウミウシ Tritoniopsis elegans」もまだまだ見ることができます。今回はソフトコーラルについている個体は見かけずに海藻や砂地にいる個体を見ました。そのような場所にいるとあの姿でも、あまり擬態効果は無いような気がします。

 転石付近では「アカシタナシウミウシ Dendrodoris fumata」を確認しました。浮島では初めて見ました。外套部のフチが濃いオレンジ色の個体です。「Dendrodoris fumata」は個体毎の色彩変異幅が大きく見付けたらできるだけ撮影するようにしています。

 先週確認した、触角にヒダが無いタイプの「セスジミノウミウシ Flabellina rubrolineata」が今日もいました。体長はほとんど同じでしたが、触角の色が若干違うので(先週のは白い部分があった)、別の個体だと思います。動きが速く上手く撮影できなかったのが心残りです。

 その頃、妻は「シミツキウミウシ Discodoris lilacina」を撮影していました。大きさからして幼体だと思います。

 2時間を過ぎ、そろそろ上がろうかなと思ったところで「センニンウミウシ Aegires punctilucens」を見つけました。普通に見ていたら、岩に積もっている泥にしか見えませんが、以前に越前で見ているので、すんなり認識できました。しかし体長5mmと越前の個体と同じように小さいので、撮影は困難でした。
 もう上がるぞ!と自分に言い聞かせながらも「オトメミドリガイ Elysia obtusa」を見つけてしまい(というよりも視界に入ってきた)撮影しました。2個体いて、それぞれ色彩と模様が異なる個体でした。どちらも「オトメミドリガイ」で良いと思うのですが、この変異幅も調査したら面白いかもしれません。
 今回もウミウシをたくさん見ることができて、大満足の浮島でした。

伊豆・浮島で出会ったウミウシたち(2本目)

クロスジアメフラシ Stylocheilus striatus ----- 多数
ムカデミノウミウシ Pteraeolidia ianthina ----- 多数
コノハミドリガイ Elysia ornata ----- 多数
マドレラ・フェルルギノサ(学名読み) Madrella ferruginosa ----- 1個体
サキシマミノウミウシ Flabellina bicolor ----- 5個体
キッカヒロウミウシ Phyllodesmium magnum ----- 1個体
ユビノウハナガサウミウシ Tritoniopsis elegans ----- 3個体
アカシタナシウミウシ Dendrodoris fumata ----- 1個体
セスジミノウミウシ Flabellina rubrolineata ----- 1個体
シミツキウミウシ Discodoris lilacina ----- 1個体
センニンウミウシ Aegires punctilucens ----- 1個体
オトメミドリガイ Elysia obtusa ----- 2個体

学名の読み:タユバ・リラキナ ツヅレウミウシ(異名:シミツキウミウシ)
Tayuva
lilacina [Syn. D. concinna]
学名の読み:ヒュプセロドーリス フェスティバ アオウミウシ
Hypselodoris
festiva
学名の読み:ヒュプセロドーリス カナメ カナメイロウミウシ
Hypselodoris
kaname
学名の読み:ヒュプセロドーリス カナメ カナメイロウミウシ
Hypselodoris
kaname
学名の読み:ポリュケラ コナフキウミウシ
Polycera
sp. 2
学名の読み:ポリュケラ コナフキウミウシ
Polycera
sp. 2
学名の読み:ポリュケラ コナフキウミウシ
Polycera
sp. 2
学名の読み:ポリュケラ コナフキウミウシ
Polycera
sp. 2
学名の読み:ポリュケラ コナフキウミウシ
Polycera
sp. 2
学名の読み:アエギレス・エクセチェス センニンウミウシ
Aegires
exeches
学名の読み:アエギレス・エクセチェス センニンウミウシ
Aegires
exeches
学名の読み:アエギレス・エクセチェス センニンウミウシ
Aegires
exeches
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:デンドロドーリス ニグラ ホンクロシタナシウミウシ
Dendrodoris
nigra
学名の読み:デンドロドーリス ニグラ ホンクロシタナシウミウシ
Dendrodoris
nigra
学名の読み:デンドロドーリス デニソンイ ミヤコウミウシ
Dendrodoris
denisoni
学名の読み:フュリッディア オセラータ キイロイボウミウシ
Phyllidia
ocellata
学名の読み:フリエリア・ピクタ フリエリイボウミウシ
Fryeria
picta
学名の読み:フリエリア・ピクタ フリエリイボウミウシ
Fryeria
picta
学名の読み:フリエリア・ピクタ フリエリイボウミウシ
Fryeria
picta
学名の読み:フリエリア・ピクタ フリエリイボウミウシ
Fryeria
picta
学名の読み:マドレッラ フェルギノーサ マドレラ・フェルギノーサ(学名読み)
Madrella
ferruginosa
学名の読み:マドレッラ フェルギノーサ マドレラ・フェルギノーサ(学名読み)
Madrella
ferruginosa
学名の読み:マドレッラ フェルギノーサ マドレラ・フェルギノーサ(学名読み)
Madrella
ferruginosa
学名の読み:マドレッラ フェルギノーサ マドレラ・フェルギノーサ(学名読み)
Madrella
ferruginosa
学名の読み:マドレッラ フェルギノーサ マドレラ・フェルギノーサ(学名読み)
Madrella
ferruginosa
学名の読み:トリトニオプシス エレガンス シロハナガサウミウシ(新参異名:ユビノウハナガサウミウシ)
Tritoniopsis
elegans
学名の読み:フラベッリナ・ビカラー ケラマミノウミウシ
Flabellina
bicolor
学名の読み:フラベッリナ ルブロニネアータ サキシマミノウミウシ属の仲間
Flabellina sp.
cf. rubrolineata
学名の読み:フラベッリナ ルブロニネアータ サキシマミノウミウシ属の仲間
Flabellina sp.
cf. rubrolineata
学名の読み:クラテナ アフィニス アカメミノウミウシ
Cratena
affinis
学名の読み:クラテナ アフィニス アカメミノウミウシ
Cratena
affinis
学名の読み:フィロデスミウム マグナム キッカミノウミウシ
Phyllodesmium
magnum
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa
学名の読み:プラキダ クレモニアーナ ツマグロモウミウシ
Placida
cremoniana
学名の読み:プラキダ クレモニアーナ ツマグロモウミウシ
Placida
cremoniana
学名の読み:アプリュジア パルウラ クロヘリアメフラシ
Aplysia
parvula
学名の読み:アプリュジア パルウラ クロヘリアメフラシ
Aplysia
parvula



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます