2002/08/24 伊豆・下田 (潮溜り)
天気:晴時々曇 水温:26℃


 下田の磯に行ってきました。
 まだ時期が早かったようで、見ることができたウミウシの種類はちょっと少なめでした。

 まずは、岸よりの磯でミノ系のウミウシを探します。最も潮が引く時にはほとんど水が無くなってしまうような場所ですが、なぜか「イロミノウミウシ Spurilla chromosoma」はこのような浅い水深に多いようです。
 今日は大潮で潮の干満の差が大きいため、最も浅い場所でウミウシを探すには干潮の2〜3時間前位に磯に入らなければなりません。
水深20〜30cmのところを丹念に探していると、まず、イロミノウミウシの卵と思われるものが多数みつかりました。卵が見付かると、ほぼその場所に親もいることが多いので、さらに探すと居ました。体長10mmほどのちょっと小さめの「イロミノウミウシ」です。
 さらに探すともう1個体、今度は体長15mmほどの個体が見付かりました。しかしこの個体がいた場所は浅すぎて(水深10cm位)撮影できませんでした。

 もう少し深いところへ移動して(といっても水深40cm位)他のウミウシを探します。
 いました!「アオウミウシ Hypselodoris festiva」です。
浅い水深の太陽光下で見ると、とても色鮮やかでしばらく見入ってしまいました。よく観察してみると、どうやら餌を食べているようです。
 更に観察していると、時より体を後ろに仰け反らせて「喜んでいるような」「痛がっているような」動きを見せます。
 更によーく観察していると、アオウミウシが食べている「クロイソカイメン Halicbondria okadai」のようなものの下から「触手」のようなものが伸びてきて、アオウミウシを攻撃しています。
 以前、仁科さんがラドマン先生のフォーラムに投稿していた「アオウミウシが餌を食べながら痛がっているシーン」と同じ感じです。
 これは!と思い連続で撮影したところ、触手のようなものが延びてきてアオウミウシが刺され痛がっているシーンを撮影できました(写真はこちら)。
 アオウミウシは、何度も攻撃されながらも食べるのを止めません(途中、ハゼ科の魚にも襲われそうになってました)。
 観察しながらかなりの枚数を撮影しましたが、その中の1枚に触手に刺された瞬間と思える写真がありました。ボクシングの左ストレートのように触手がアオウミウシの口元に伸びてます。アオウミウシもそうとう痛かったようで、海綿から口を外してのけぞってます(写真はこちら)。
 どうやら、この「触手」は「クロイソカイメン」のものではなく、海綿の下に済む別の生物にようです。海綿が食べ尽くされてしまうと、自分も隠れ蓑が無くなってしまうので、攻撃してきたのではないでしょうか。これも、一種の共生行動かもしれません。
 30分位観察してましたが、アオウミウシは攻撃されると一瞬ひるむものの、ずっと食べつづけてました。海綿の食べたれている部分を見たら海綿の内部が露出してました(写真はこちら)。

 アオウミウシを見た後、ちょっと沖よりの潮溜りに移動してウミウシを探します。
 この場所で、まず見付かったのが「アズキウミウシ Elysia abei」です。このウミウシの同定については仁科さんが多くのコメントを「ラドマンサイトにおける Elysia japonica, E. amakusana, E. abei, E. cf. furvacauda の分類再評価」に書いているので、そちらを読んでいただくのがよいかと思います。
追記:「アズキウミウシ Elysia japonica」は、ラドマン先生のサイトで「アベミドリガイ Elysia abei」 の色形式であることがほぼ確定しました。2002/09/13

 次に見付かったのは、この磯では初めて見る「ウスイロウミウシ Hypselodoris placida」です。西伊豆の浮島や、日本海の越前では、初夏〜夏にかけて沢山見られました。
今日の個体は、二次鰓を目一杯広げている感じで、いままで見た中で一番キレイな個体でした(これもしばらく見入ってしまいました)。

 ウスイロウミウシを撮影して、ふと、その先を見ると「ニシキツバメガイ Chelidonura hirundinina」がいるではないですか!。これもこの磯では初めて見るウミウシです。お腹を見るとかなり膨れていて、食後かもしれませんね。

 その後、この潮溜りでは「アズキウミウシ Elysia abei」と「タツナミガイ Dolabella auricularia」を確認して、また少し離れた潮溜りに移動しました。

 次に移動した潮溜りは、完全な潮溜り状態ではなく、大潮の干潮時でも外海と繋がっている状態の潮溜りです。
それだけ、潮通しが良いわけで、なにか今までと違ったウミウシが見れそうな気がします。
 しばらく探すと、いました!「ハクセンミノウミウシ Cratena lineata」です。この磯では、昨年の9月末に出会ったきりの種です。写真には卵のようなものも写ってますが、このハクセンミノウミウシのものかどうかは、不明です(たぶんそうだと思うのですが)。
 引き続き探すと、小さな「アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis」が見付かりました。このウミウシも大瀬崎ではよく見かけますが、この磯では初めて見ました。

 上がり間際、水が淀んでて、一見ウミウシはいなそうな潮溜りで「アカシタナシウミウシ Dendrodoris fumata」を2個体見付けました。

 「オカダウミウシ Vayssierea felis」は、最盛期ほどではないですが、多数確認できました。

伊豆・下田で出会ったウミウシたち

イロミノウミウシ Spurilla chromosoma ----- 2個体
アオウミウシ Hypselodoris festiva ----- 2個体
アベミドリガイ Elysia abei ----- 2個体
ウスイロウミウシ Hypselodoris placida ----- 1個体
ニシキツバメガイ Chelidonura hirundinina ----- 1個体
ハクセンミノウミウシ Cratena lineata ----- 1個体
アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ----- 1個体
アカシタナシウミウシ Dendrodoris fumata ----- 2個体
オカダウミウシ Vayssierea felis ----- 多数
タツナミガイ Dolabella auricularia ----- 2個体

学名の読み:ヒュプセロドーリス フェスティバ アオウミウシ
Hypselodoris
festiva
学名の読み:ヒュプセロドーリス フェスティバ アオウミウシ
Hypselodoris
festiva
学名の読み:ヒュプセロドーリス フェスティバ アオウミウシ
Hypselodoris
festiva
学名の読み:ヒュプセロドーリス プラキダ ウスイロウミウシ
Hypselodoris
placida
学名の読み:ヒュプセロドーリス プラキダ ウスイロウミウシ
Hypselodoris
placida
学名の読み:ウァッシレア フェリス オカダウミウシ
Vayssierea
felis
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:スプリッラ  クロモゾーマ イロミノウミウシ
Spurilla
chromosoma
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:クラテナ リネアータ ハクセンミノウミウシ
Cratena
lineata
学名の読み:クラテナ リネアータ ハクセンミノウミウシ
Cratena
lineata
学名の読み:エリシア アマクサーナ アズキウミウシ
Elysia
amakusana
学名の読み:エリシア アマクサーナ アズキウミウシ
Elysia
amakusana
学名の読み:エリシア アマクサーナ アズキウミウシ
Elysia
amakusana
学名の読み:エリシア アマクサーナ アズキウミウシ
Elysia
amakusana
学名の読み:エリシア アマクサーナ アズキウミウシ
Elysia
amakusana
学名の読み:エリシア アマクサーナ アズキウミウシ
Elysia
amakusana
学名の読み:ケリドヌラ ヒルンディニナ ニシキツバメガイ
Chelidonura
hirundinina
学名の読み:ケリドヌラ ヒルンディニナ ニシキツバメガイ
Chelidonura
hirundinina



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます