2002/01/13 伊豆・下田 (潮溜り)
天気:晴 水温:14.5〜15℃


 伊豆・下田の磯(潮溜り)に行ってきました。
 今回も、もちろんウミウシの観察が目的ですが、もう一つの目的に「新しいクローズアップレンズ」のテストがあります。
年明けから、少しずつ部品を揃えていて「春頃までには完成させよう」なんて思っていたのですが、いざ部品が揃ったら、我慢できずに完成させてしまいました。
この「クローズアップレンズ」が我ながらなかなか良く出来まして、「今まで私がデジカメで撮影した写真は無かったことにして!」と思う位、良く写りました。
 自作クローズアップレンズの基本的な構造は、以前作成したものと同じなのですが、組み合わせるレンズを100円ショップの虫眼鏡から、ケンコー社の「AC クローズアップレンズ No.5」にしてみました(2枚重ねバージョンと1枚バージョンの2種類を作成)。
元々ケンコー社のクローズアップレンズのなかでもグレードの高い(AC)ものだったのですが、虫眼鏡との画質の差がこれほど出るとは思いませんでした。
 価格差は定価ベースで34倍ですが、それだけの価値はあると思います。虫眼鏡の場合は、レンズがかなり暗かったようで、外部ストロボを併用しないと露出アンダーになってしまってましたが、今回作成したレンズでは内臓ストロボ+自作拡散版でなんとかOKでした(新レンズ+外部ストロボの場合、私が所有するYS-120の二分の一発光+ディフューザーでは露出オーバーになってしまう)。
 今回は、太陽光が良く当たる潮溜りということもあり、水深が深いダイビングでは外部ストロボが必要かもしれません。しかし、その場合はガイドナンバーを細かく調整できるデジカメ対応のストロボが必要になると思います。
 倍率は正確には測っていないのですが、OLYMPUS C-2040Z に2枚重ねバージョンを装着し、望遠側で25〜30mmのものが画面一杯に写せるといった感じです。

ウミウシは数こそ減りましたが、この磯のいつものメンバーの「キヌハダモドキ」「オカダウミウシ(これは多数)」「イロミノウミウシ」「ヤマトワグシウミウシ(幼体)」が確認でき、さらにアメフラシの仲間が多く見られました(4種類)。
また、初めて見る「イソウミウシの仲間」と思われる固体も観察できました。

 「キヌハダモドキ」は以前に、ここで見たどの個体よりも大きい個体でした(約20mm)。捕食シーンを見たわけではないのですが、体の色や、透けて見える内臓がオレンジ色に見えることから、大量に生息している「オカダウミウシ」を食べているのではと思います。

 「オカダウミウシ」は相変わらずたくさんいます。オカダウミウシの卵ではないかと思われるものも多数確認できます。卵については撮影し忘れたので、次回(2月)撮影してきます。

 「イロミノウミウシ」は、毎回、数個体確認できましたが、今回は1個体のみでした。大きさも少し小ぶりでした。

 「ヤマトワグシウミウシ」も1個体確認できましたが、この個体は体長8mm位で幼体だと思います。12月に来たときはミノ系ウミウシの卵と思われるものが多数確認できましたが、今日はまったく確認できませんでしたので、ちょうど世代の入れ替わり時期なのかもしれません。
追記:「ヤマトワグシウミウシ」は、下田では今回はじめて見ました。昨年、真鶴・三ツ石海岸でよく見たのですが、下田と勘違いしていたようです。これからは下田でも多数確認できると思います。

 アメフラシ系については、あちこちの岩陰に「アメフラシ」「ミドリアメフラシ」「タツナミガイ」の3種類が多数確認でき、緑色やオレンジ色、肌色の卵も同じ場所で確認できました。タツナミガイは2個体しか確認できませんでしたが、「アメフラシ」「ミドリアメフラシ」は数え切れないほどいました。
 岩の上にポツンと乗っていた、体長35mm程のちょっとかわった色のアメフラシを撮影したのですが、後で調べたところ、「アマクサアメフラシ」のようです。

磯に降りた時いつも真っ先に確認する、一片40cmほどの四角い人工的な潮溜りがあるのですが、そこで「イソウミウシ」に似たウミウシを見つけました。色がオレンジ色ならば、おそらく「イソウミウシ」で間違いないと思うのですが、この個体は青みかかった濃い灰色です。とりあえず「イソウミウシの仲間 Rostanga sp.」としておきました。今後も調査を続けますが、もし、何か情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非、伝言版またはメールにて、ご連絡ください。

追記1:後日、「八丈ビジターセンターにお勤めの高須さん」から伝言版に「Rostanga risbeci Baba,1991 クロイソウミウシ」ではないでしょうかとの情報を頂きました。
Webサイトに画像がないか、いろいろ調べましたが見つかりませんでした。高須さんは「日本近海産貝類図鑑」の生態写真で確認されたのですが、この図鑑は38,000円と高価な為、私は所有しておりませんでした。
私も機会があったら図書館等で生態写真を確認したいと思います。
高須さん、情報ありがとうございました。


追記2:後日、ラドマン先生のサイトに「Rostanga risbeci」ですか?と投稿したところ、早速ご返事がありました。以下その内容です(意訳)。

それは外部的に Rostanga と Jorunnaの種類と外観から判断するのは確かに困難です。しかし鰓の形です − 短くて、そして多数で、私はこれにより Rostanga の種類であることを確信しました。

そしてその色から私はそれが大変上手に Rostanga risbeci の馬場博士の記述に適していると言えるでしょう。

馬場博士はそのウミウシが黒いスポンジを食べている所を見たそうです。
そして、多分、次にあなたが下田にいるとき黒い海綿を見付けられるかどうかです。
もし、あなたが幸運であるならば、卵の近くにそのウミウシを見つけるかもしれません。私の経験上Rostanga の種のほとんどが卵か、餌となる海綿のとても近くにいます。


Rostanga risbeci Baba,1991 クロイソウミウシ」で間違いないようです。
ラドマン先生、ありがとうございました。
Thank you Dr. Bill Rudman.

伊豆・下田で出会ったウミウシたち

キヌハダモドキ Gymnodoris citrina ----- 1個体
オカダウミウシ Vayssierea felis ----- 多数
イロミノウミウシ Aeolidiella chromosoma ----- 1個体
ヤマトワグシウミウシ(幼体) Berghia japonica juv. ----- 1個体
アメフラシ Aplysia kurodai ----- 多数
ミドリアメフラシ Aplysia oculifera ----- 多数
タツナミガイ Dolabella auricularia ----- 2個体
アマクサアメフラシ Aplysia juliana ----- 多数
クロイソウミウシ Rostanga risbeci ----- 1個体

学名の読み:ロスタンガ リスベックイ クロイソウミウシ
Rostanga
risbeci
学名の読み:ロスタンガ リスベックイ クロイソウミウシ
Rostanga
risbeci
学名の読み:ロスタンガ リスベックイ クロイソウミウシ
Rostanga
risbeci
学名の読み:ロスタンガ リスベックイ クロイソウミウシ
Rostanga
risbeci
学名の読み:ジムノドーリス・キトリナ キヌハダモドキ
Gymnodoris
citrina
学名の読み:ジムノドーリス・キトリナ キヌハダモドキ
Gymnodoris
citrina
学名の読み:ウァッシレア フェリス オカダウミウシ
Vayssierea
felis
学名の読み:スプリッラ  クロモゾーマ イロミノウミウシ
Spurilla
chromosoma
学名の読み:スプリッラ サラアミカ スプリッラ サラアミカ(学名読み)
Spurilla
salaamica
学名の読み:アプリュジア ユリアナ アマクサアメフラシ
Aplysia
juliana
学名の読み:アプリュジア ユリアナ アマクサアメフラシ
Aplysia
juliana
学名の読み:アプリュジア ユリアナ アマクサアメフラシ
Aplysia
juliana
学名の読み:アプリュジア クロダイ アメフラシ
Aplysia
kurodai
学名の読み:ドラベッラ アウリクラリア タツナミガイ
Dolabella
auricularia
学名の読み:ドラベッラ アウリクラリア タツナミガイ
Dolabella
auricularia
学名の読み:アプリュジア オクリフェラ ミドリアメフラシ
Aplysia
oculifera



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます