2003/8/23 真鶴 三ツ石海岸(潮溜り)
天気:晴 水温:約25℃


 真鶴・三ツ石海岸の磯に行って来ました。
 2週間前の台風10号の影響で有料道路(真鶴有料道路の旧道)の一部が通行止めになっているうえに、久しぶりの晴天で伊豆方面へ向かう道路は朝から大渋滞でした。
 通常の倍以上の時間をかけて8時頃、磯に到着しました。
 磯は最初のころは空いていたのですが時間が経つにつれて磯のタイドプールには家族連れが増えてきて、まさに「プール」状態となってしまいました。
 それでも、今日は潮の引きが良くなく、さらに波もかなりあったので、磯も程良く水が循環してなんとかウミウシを見付けて撮影・観察することができました。

 交通渋滞でたまったストレスも磯に入った瞬間になくなりました。
 入ってすぐにクロシタナシウミウシ風の「ヒラムシの仲間」がいました。「おっ!撮影しよう!」と思ったのですが、凄いスピードで岩の深い窪みに入っていってしまい、出てきませんでした。

 しばらく(2〜30分)ウミウシは見付からなかったのですが、少し場所を移動したところで「メリベウミウシ Melibe papillosa」が4個体見付かりました。そのなかの1個体は背面の模様がちょっと変わってます。

 子供も増えてきて水深が浅い場所はだいぶ濁ってきたので、少し波が入る場所で探します。

 まず「ミノウミウシ Aeolidiella indica」が卵塊といっしょに見付かりました。
 昨年の夏もこの磯で卵塊といっしょの個体を確認しています。昨年、今回ともに、産卵中ではなかったようですが撮影中も卵塊から離れることはなく、まるで卵を守っているようでした(実際、ウミウシの仲間には産卵後しばらくの間は卵の近くにいる種がいるそうです)。

 小さな「キヌハダウミウシの仲間」がいました。撮影中はなんだかよくわからなかったのですが、後で画像をチェックしてみると、どうやら「アカボシウミウシ Gymnodoris alba」のようです。
 この磯では比較的多い種なのですが「なんですぐにピンとこなかったのかな?」と考えてみたところ、その原因は二次鰓にあるようです。
 よく見る「アカボシウミウシ」は赤い線模様が入った二次鰓を持っているのですが、今回の個体は二次鰓そのものが引っ込んでしまっているのか確認できませんでした。過去にもこのような個体は確認しているのですが、本当にみな同じ種なのか、更に調査した方がよいかもしれません。

 岩の上に「クロヘリアメフラシ Aplysia parvula」がいました。「今日は普通に這っているなぁ」と思い、プレッシャーを与えるために場所をちょっと移動させてみました。するとたまに見かける「海藻に擬態している」と思われるポーズになったではありませんか。
 あまりにも一生懸命そうで「ちょっと申し訳ないことをしたな」と思い、撮影後すぐに元の場所に戻しました。

 比較的、波がよく入ってくる場所では、多数の「オトメウミウシ Dermatobranchus otome」を確認することができました。
 どれも5mm以下の小さな個体です。春〜初夏にかけて多くの個体を確認していますが、体長が大きくなるにつれてだんだん数がへってきていたので、どうやら世代交代が行われたようです。この小さな個体が晩秋頃には大きな個体になっていると思います。

 「アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis」は大小たくさんの個体がいました。。
 大瀬崎では夜間に活発に動き回り、交接中の個体も確認しています。交接の観察など、ダイビング中だとあまり長い時間の観察はできませんが、磯なできそうです。しかし、誰もいない(と思われる)夜の磯に一人で入るのはちょっと怖いのでまだやってません。

 他にもなにかいないかなと探していると、小石に生えた短いコケのような海藻に付いているウミウシを見つけました。
 体長は5mmほどで、うまく環境に溶け込む姿をしているため、肉眼ではよ〜く観察しないとウミウシとはわかりません。
 まず、その状態で撮影して確認すると、どうやら2個体いるようです。この状態だと細部の観察ができないので、いったん海藻の生えていない小石に移ってもらい、じっくり撮影・観察しました。
 しかし、このウミウシが何者なのかわかりません。ミノの形状から「Eubranchusの仲間」だろうというところまでは想像できたのですが、まずは詳細に撮影して後で調べることにします(撮影後は元の場所に戻しました)。

 その後、各資料を見ながら調べたのですが、いまひとつぴったりな種が見付かりません。
 もっとも似ていたのが「ジョオウミノウミウシ Eubranchus virginalis」だと思うのですが、ジョオウミノウミウシはミノに多数の突起が表れるのに対して、今回の個体のミノにはそのような突起がまったくありません。また、触角や口触手に白い模様が入ることなどもジョオウミノウミウシとは異なるようです。
 しかし、Sea Slug Forum の「ジョオウミノウミウシ Eubranchus virginalis」対する、ラドマン先生および平野先生のコメントによると生態の状態(コンディション)によっては、ミノの突起が現れないケースも考えられるようです。それを差し引いても今回の個体の場合、差異が気になることから「ジョオウミノウミウシの仲間 Eubranchus cf. virginalis ?」として登録しました。
 ※「ジョオウミノウミウシ Eubranchus virginalis」は昨年の9月にこの磯で確認しています。

 「ジョオウミノウミウシの仲間」の撮影・観察にかなりの時間がかかっていたようで、気がつけばだいぶ潮が満ちてきてます。
 上がりながら、はじめのころは潮が引きすぎていてウミウシを探せなかった場所で探してみると、ここでも小さな「オトメウミウシ」と大小の「アカエラミノウミウシ」が多数見付かりました。
 最後に「ゴマフミノウミウシ Herviella affinis」のペアを見付けて撮影していたらデジカメの電池が切れたので、上がることにしました。
 帰りは道路も空いてました。

真鶴・三ツ石海岸で出会ったウミウシたち

メリベウミウシ Melibe papillosa ---- 4個体
ミノウミウシ Aeolidiella indica ---- 1個体
アカボシウミウシ Gymnodoris alba ---- 1個体
クロヘリアメフラシ Aplysia parvula ---- 1個体
オトメウミウシ Dermatobranchus otome ---- 多数
アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ---- 多数
ジョオウミノウミウシの仲間 Eubranchus cf. virginalis ? ---- 2個体
ゴマフミノウミウシ Herviella affinis ---- 2個体

学名の読み:ジムノドーリス・アルバ アカボシウミウシ
Gymnodoris
alba
学名の読み:ウァッシレア フェリス オカダウミウシ
Vayssierea
felis
学名の読み:メリベ パピローザ ヒメメリベ(旧 メリベウミウシ)
Melibe
papillosa
学名の読み:メリベ パピローザ ヒメメリベ(旧 メリベウミウシ)
Melibe
papillosa
学名の読み:デルマトブランクス オトメ オトメウミウシ
Dermatobranchus
otome
学名の読み:デルマトブランクス オトメ オトメウミウシ
Dermatobranchus
otome
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシ属の仲間7
Eubranchus
sp. 7
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシ属の仲間7
Eubranchus
sp. 7
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシ属の仲間7
Eubranchus
sp. 7
学名の読み:エウブランクス ホリミノウミウシ属の仲間7
Eubranchus
sp. 7
学名の読み:アンテアエオリディエッラ インディカ ミノウミウシ
Anteaeolidiella [Old Aeolidiella]
indica
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:ヘルウィエッラ アフィニス ゴマフミノウミウシ
Herviella
affinis
学名の読み:ヘルウィエッラ アフィニス ゴマフミノウミウシ
Herviella
affinis
学名の読み:ヘルウィエッラ アフィニス ゴマフミノウミウシ
Herviella
affinis
学名の読み:ヘルウィエッラ アフィニス ゴマフミノウミウシ
Herviella
affinis
学名の読み:ファケリナ ビリネアータ フタスジミノウミウシ
Facelina
bilineata
学名の読み:ファケリナ ビリネアータ フタスジミノウミウシ
Facelina
bilineata
学名の読み:アプリュジア パルウラ クロヘリアメフラシ
Aplysia
parvula
学名の読み:アプリュジア パルウラ クロヘリアメフラシ
Aplysia
parvula



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます