2003/6/28 真鶴 三ツ石海岸(潮溜り)
天気:曇り 水温:約23℃


 久しぶりに真鶴・三ツ石の磯に行ってきました(二ヶ月も空いてしまいました)。
 前日に新しいデジカメ(OLYMPUS C-750UZ)の水中ハウジングを入手しました。そうなると早速テストしたくなります。
 今週末には間に合わないと思っていたので、古いデジカメで用意していたのですが、急遽、変更してシステムを組み直して、新しいデジカメで撮影してきました。

 水温は23℃と快適だったのですが、磯に入って少しすると突然、西風が強くなりだして海は大荒れです(ときより強い雨が降ると思ったら波しぶきでした)。
 それでも今日は大潮で潮の引きが良く、なんとかウミウシ探しができました。

 はじめは手前側の潮溜りでウミウシを探します。すると直ぐに「ヤツミノウミウシ Herviella yatsui」と「Doris系」のウミウシが見つかりました。
 まずは、小さい「ヤツミノウミウシ」の方を先に撮影します。しかし、撮影しようと顔を水中につけてシュノーケルで呼吸すると、海水がガバガバと入ってくるではないですか!?
 忘れてました・・・実は前回の磯の時からシュノーケルの調子が悪く、買い換えようと思っていたのでした(10年以上使ってますから寿命ですね)。今回はなんとか騙しだまし使いましたが、かなりの塩水を飲んでしまいました。

 「ヤツミノウミウシ」は下田の磯で何度か確認してますが、思えばここ三ツ石では初めて見ました。尾の部分が短い、ちょっと雰囲気の異なる個体でした。

 次に同時に見つかった「Doris系」のウミウシを撮影します。「ヤツミノウミウシ」は体長5mm位だったので、直ぐに撮影しないと見失ってしまいますが、この「Doris系」のウミウシは体長5cmほどで、ちょっと目を離した位では大丈夫です。
 この個体ですが、頭部左側を何かにかじられたように欠損しています。あまりにも痛々しく撮影もほどほどに元の場所に戻しました。
 撮影中は「どこかで見たことがあるけれど、なんだろう?」と思っていたのですが、自宅に帰ってから調べると、どうやら「シミツキウミウシ Discodoris lilacina」の色が薄い(茶色っぽい)個体のようです。

 手前側の潮溜りは水深が浅すぎてすぐに水が濁ってしまい、これ以上ウミウシを見つけても撮影はちょっと無理そうです。
 場所を移動して外海とつながっている磯に移動します。ここは普段なら干潮時でも外の海とつながっているのですが、今日は潮の引きが良いのでほぼ潮溜り状態です。この状態だと波の影響を受けないのでウミウシ探しには良いのですが、やはり水は濁りやすくなります。

 水を濁さないように慎重にウミウシを探します。
 小さな岩の裏側から小さな「フジエラミノウミウシ Cuthona ornata」が見つかりました。
 私の観察例では、春〜夏によく見かけるようです。

 次は体長20mm近くある「ミノウミウシ Aeolidiella indica」が岩の裏側のツルッとした場所から見つかりました。
 この磯では1年中「ミノウミウシ Aeolidiella indica」が見られます。

 「アカキセワタガイ Philine rubrata」も2個体見つかりましたが、1つは岩の裏から、もう1つは砂の中から見つかりました。「アカキセワタガイ」も以前から多数確認してます。

 小さな「メリベウミウシ Melibe papillosa」が3個体、海藻の付け根部分から見つかりました。「メリベウミウシ」もこの磯ではよく見かけます。

 今回は「ウミフクロウ Pleurobranchaea japonica」も4個体確認できました。サイズはどの個体も15mm前後で、まだ若い個体のようです。
 思えば、この磯では「ウミフクロウ」を初めて見ました。今まで見ていなかったのが不思議です。
 ただし、この種は極度の雑食で他のウミウシも食べてしまいます。ちょっと心配です。

 色の薄い「イロミノウミウシ Spurilla chromosoma」が2個体、ペアでいました。
 この種は「褐虫藻」を持つ「イソギンチャクの仲間」を食べ、その褐虫藻をミノ(鰓突起)の部分に貯え、貯えた褐虫藻による光合成産物を栄養として受け取っているそうです。
 ミノの茶色く見える部分が「褐虫藻」らしいです。ときより、体の赤っぽい部分の色が凄く濃くなる個体がいるのですが、これは、恐らく食べたイソギンチャクの色素によるものではないかと私は考えてます。

 磯に入って2時間以上が経過しました。そろそろ潮が満ちてきたようで、潮溜り状態だった磯に水の流れが感じられます。
 「水も濁ってきた頃なのでちょうどいいや!」と思い、外海とつながっている、潮通しの良い場所に移動しました。
 ここでは、岩の裏から「オトメミドリガイ Elysia obtusa」と「ネズミウミウシ Platydoris sp.」を見つけることができました。
 「オトメミドリガイ」はこの磯では比較的多いのですが、「ネズミウミウシ」はここでは初めて見ました。

 だいぶ磯の中も荒れてきました。「そろそろ上がろうかな?」と思ったところで、大きな「オトメウミウシ Dermatobranchus otome」が普通に岩肌を移動してました。
 この磯では、時期になると岩の裏側から多数の「オトメウミウシ」を確認できるのですが、極まれに、このように岩肌を移動している個体を見かけます。
 もっとも、西伊豆の浮島の薄暗いアーチや洞窟の中ではもの凄い数の「オトメウミウシ」が海綿がびっしり付いた岩肌で確認できます。
 この磯の場合、海綿の仲間は岩肌よりも岩の裏に多いので、岩の裏からの発見が多いものと思われます。

 追記:
 オトメウミウシは海綿を食べているのではないようでした。
 平野先生の「ウミウシ学(東海大学出版会)」によると、タテジマウミウシの仲間は「ウミエラやハナゴケ、ヤギといった刺胞動物を食べる」と書いてあります。
 恐らく、オトメウミウシの多い場所にはこれらの刺胞動物が生息しているものと思われます。


 上がり際に「オトメウミウシ」をもう1個体と、小さな「ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor」を見て上がりました。


真鶴・三ツ石海岸で出会ったウミウシたち

ヤツミノウミウシ Herviella yatsui ----- 1個体
シミツキウミウシ Discodoris lilacina ----- 1個体
フジエラミノウミウシ Cuthona ornata ----- 1個体
ミノウミウシ Aeolidiella indica ----- 1個体
アカキセワタガイ Philine rubrata ----- 2個体
メリベウミウシ Melibe papillosa ----- 3個体
ウミフクロウ Pleurobranchaea japonica ----- 4個体
イロミノウミウシ Spurilla chromosoma ----- 2個体
オトメミドリガイ Elysia obtusa ----- 1個体
アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ----- 1個体
ネズミウミウシ Platydoris sp. ----- 2個体
オトメウミウシ Dermatobranchus otome ----- 2個体
ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor ----- 1個体



 新しいデジカメ( OLYMPUS C-750UZ )について

 新しいデジカメですが、なかなか良いです。
 400万画素機の「OLYMPUS C-750UZ」を購入しました。純粋に400万画素分の解像力があるかというと、ちょっと厳しいのですが、少なくとも以前使用していた200万画素機(C-700UZ)の画像を400万画素相当に補間拡大したよりは、はるかに良好です(当然ですが)。
 少なくとも、300万画素機以上の解像力は実感できました。
 今回の撮影ではノイズをおさえる為に、ISO感度50を使用しました。いままでの機種は最低感度がISO100まででしたので、今回はストロボの発行量調整が異なり、なれるまで試行錯誤が続きそうです(いままでの感覚で設定していると露出アンダーになってしまいます)。
 また、CCDが補色タイプから原色タイプになったことで、若干ですが感度が下がっているようにも感じます(C-700UZ と比較して)。
 画素ピッチが狭くなっているので白飛びには弱いようですが、これはストロボワークでなんとかカバーしたいと考えてます。

 OLYMPUS の純正水中ハウジング PT-018 ですが、以前の機種(PT-005, PT-007)と比べると格段に作りが良くなってると感じました。
 Oリングも太くなってますし、ハウジングのロック機構も金属製になりました。
 密集したボタンでも押しやすいように工夫されてますし、シャッターボタンとズームレバーが分離設置され、この部分の強度もかなり上がっていると思います。

 以上、ざっとですが使用感でした。

学名の読み:タユバ・リラキナ ツヅレウミウシ(異名:シミツキウミウシ)
Tayuva
lilacina [Syn. D. concinna]
学名の読み:タユバ・リラキナ ツヅレウミウシ(異名:シミツキウミウシ)
Tayuva
lilacina [Syn. D. concinna]
学名の読み:プラティドーリス ネズミウミウシ
Platydoris
tabulata ?
学名の読み:プラティドーリス ネズミウミウシ
Platydoris
tabulata ?
学名の読み:プラティドーリス ネズミウミウシ
Platydoris
tabulata ?
学名の読み:プラティドーリス ネズミウミウシ
Platydoris
tabulata ?
学名の読み:メリベ パピローザ ヒメメリベ(旧 メリベウミウシ)
Melibe
papillosa
学名の読み:デルマトブランクス オトメ オトメウミウシ
Dermatobranchus
otome
学名の読み:スプリッラ  クロモゾーマ イロミノウミウシ
Spurilla
chromosoma
学名の読み:スプリッラ  クロモゾーマ イロミノウミウシ
Spurilla
chromosoma
学名の読み:アンテアエオリディエッラ インディカ ミノウミウシ
Anteaeolidiella [Old Aeolidiella]
indica
学名の読み:アンテアエオリディエッラ インディカ ミノウミウシ
Anteaeolidiella [Old Aeolidiella]
indica
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:ヘルウィエッラ ヤツイ ヤツミノウミウシ
Herviella
yatsui
学名の読み:クトナ ディウィルシコロル ゴシキミノウミウシ
Cuthona
diversicolor
学名の読み:クトナ オルターナ フジエラミノウミウシ
Cuthona
ornata
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa
学名の読み:プレウロプランカエア ジャポニカ ウミフクロウ
Pleurobranchaea
japonica
学名の読み:プレウロプランカエア ジャポニカ ウミフクロウ
Pleurobranchaea
japonica
学名の読み:フィリネ ルブラータ アカキセワタ
Philine
rubrata



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます