2002/9/8 真鶴 三ツ石海岸(潮溜り)
天気:晴れ 水温:26℃


 今週も真鶴・三ツ石海岸の潮溜りに行ってきました。
 潮周りは「大潮」なので潮の引きもよく、波打ち際の磯でもウミウシを探せそうです。
逆に、手前側は早めに探索しないと、潮が引き切ってしまってからでは浅すぎて、ウミウシを見つけても撮影できません。結局、朝9時から13時過ぎまで4時間以上磯にいました。
 その甲斐あってか、初めてみるウミウシも含めていつもより多くの個体を確認することができました。

 磯に下りると、夏休みも終わったのに意外と人がたくさんいます。網で魚を採っているおじさんに「写真撮るの?」と聞かれたので「ウミウシの写真を撮ってるのです」と答えましたが、今ひとつピンときていない感じでした(笑)。

 まずは、潮が引ききる前に手前側の潮溜りでウミウシを探します。
 早速見付かったのは、今の時期、この磯の定番ウミウシでもある「イロミノウミウシ Aeolidiella chromosoma」です。今回も卵塊も含めて多数見付かりました。
 ミノの模様や形が似ている為、一見「イロミノウミウシ」と見間違いそうな「スプリラ サラーミカ(和名なし) Spurilla salaamica」も今回は見付かりました。
 見分け方は、触角を見れば簡単に見分けがつきます。「イロミノウミウシ」の触角は、斜めにヒダが入った「木ネジ」のような形状ですが、「スプリラ サラーミカ」の方は、小さな突起が密集した「こん棒」のような形状をしています。ただし、小さい個体の場合は肉眼で触角の細部を見極めるのは困難です、そのような場合は、触角と頭触手の間の頭の部分に白い点々模様があるのが「イロミノウミウシ」です。逆に「スプリラ サラーミカ」はその部分が白く縁取られた四角形模様になっています。

 先週居た「チゴミノウミウシ Favorinus japonicus」は、今日は見かけませんでしたが「コノハミドリガイ Elysia ornata」、「オカダウミウシ Vayssierea felis」は、今日もたくさんいました。

 体長4mmほどの小さな「アカボシウミウシGymnodoris alba」もいました。この磯では、はじめて見るウミウシです。
 先週居た「キヌハダモドキ Gymnodoris citrina」は、見かけませんでした。そういえばたくさん居た「ゴマフミノウミウシ Herviella affinis」も見かけなかったな。

 手前側でのウミウシ探しはこのくらいにして、今日はせっかくの大潮ですので、もう少し波打ち際の磯も探してみることにします。
 この日の海はかなりウネリがあったのですが、干潮が近くなるにつれて、磯も穏やかになってきました。

 この場所でまず見付かったのが「オトメミドリガイ Elysia obtusa」の小さな個体です。本当に小さくて体長約3mm。撮影してよく見てみるとまだ、ちゃんと「オトメミドリガイ」の形をしていません。変態後、間もないのかもしれませんね。
 「オトメミドリガイ」は、以前にもこの場所で2個体みています。

 この磯の石の上には、短い「ガヤ」のようなものがたくさん生えているのですが、よーく観察しているとちょっと変った形をしたガヤがありました。もしやと思い、指の先でかるく触れたら動き出したではないですか!これはウミウシです!!
 しかし小さい(5mm)うえに、ミノが周りのガヤのようなものに似ている為、なかなかうまく撮影できませんでした。本来ならば、ツルッとした石の上にでも移して撮影したいところですが、ミノがとても複雑な形状をしていて無理に移動させようとするとちぎれてしまいそうなので、そのまま撮影しました。
 その場で撮影したウミウシを確認したのですが、どこかで見たことがあるが思い出せません。自宅に帰って色々調べましたが分からず、とりあえず伝言版にUPしようと書き込みをしているときに、「相模湾で見つけたウミウシだから相模湾産後鰓類図譜に記載があるかも」とフト思いつき見てみたらありました。「ジョオウミノウミウシ Eubranchopsis virginalis」です。
 近くには発見場所と同じような環境が他にもまだあるので探せば別の個体も見付かりそうでしたが、他のウミウシも見てみたかったのでこの個体のみの発見でした。

 「ジョオウミノウミウシ」の撮影にかなり時間がかかってしまいました。それでも、まだ見ていたいほど魅力的なウミウシでしたが、干潮の時間はあまり長くはありません。気持ちを入れ替えて別のウミウシを探します。

 「ジョオウミノウミウシ」で小さいのに目が慣れたのか、石の上の「アオサ(海藻)」の中から体長3mmほどの小さなミノ系ウミウシを見つけました。小さすぎてそのままでは藻に隠れてしまい撮影できません。
ウミウシの通り道に親指の爪を当てたところうまい具合に爪に乗っかってきてくれました。その状態で何とか撮影しましたが、このウミウシはいまだ名称不明です。今のところわかる範囲では「オショロミノウミウシ属の仲間 Cuthona sp.」としてます。何かわかりましたら、ここにも追記します。
(でも、「ウミウシガイドブックの AEOLIDACEA sp.6 ターコイズミノウミウシ」にちょっと似てますよね。)

 次に見付かったのは、先週もこの磯で見ている「ユウブランカスの仲間 Eubranchus sp.」です。先週見たのよりも更に小さい個体です(約3mm)。
このウミウシも、もっと詳細な写真がほしかったので探していたウミウシですが、このサイズでは詳細な写真の撮影は期待できません。真上から2〜3枚撮影して、他のウミウシを探しました。

 磯に入ってから3時間を過ぎてます。撮影枚数も150枚を超えているので、そろそろデジカメの電池も切れる頃です。
 ウミウシを探しながら手短に撮影していきます。

 「ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor」「シミツキウミウシ Discodoris lilacina」と立て続けに見つけます。
 「ゴシキミノウミウシ」は15mmもある立派な個体で、なおかつこの磯では初めて見ました。しかし「ゴシキミノウミウシ」が好んで食べそうな「シロガヤ」もたくさん生えていますので、いても不思議はありません。
 「シミツキウミウシ」は、狭い範囲で集中的に4個体見付かりましたが、どれも10mm前後の小さな個体です。これが大きくなるとどうなるのか定点観察してみたいのですが難しいですね。

 次は、今日三つ目の問題ウミウシですが、石の裏に3個体でかたまっていたウミウシです。
 一見、クシエラ系のウミウシ?と思ったのですが、二次鰓や触角をよく見るとどうやら「アカシタナシウミウシ Dendrodoris fumata」の黄色バージョンと、オレンジ&マダラ模様バージョンのようです。このウミウシがいた場所およびその直ぐ近くには食い荒らされた黄色やオレンジ色の海綿がありました。このウミウシの色はこれらの海綿を食べたことによるものだと思います。このまま大きくなったらどうなるか観察したい所ですが、この場所は潮周りが大潮でないと観察は難しい場所なので、ちょっと無理そうです。

 「アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis」を見つけて、そろそろ上がろうかな?と思って、最後に手元の石の裏を見てみると、一見「ハクセンミノウミウシ Cratena lineata」に見えるウミウシがいました。
 とりあえず撮影という感じで撮影してその姿をデジカメのモニターで確認してみると「ハクセンミノウミウシ」ではなようです。あわてて撮影を開始しましたが、1枚撮影したところでデジカメの電池が切れました----- 再起動を繰り返し、なんとか4枚撮影できました。
 自宅に帰ってからこのウミウシのことも調べてみましたが、今ひとつピンとくるのがありません。そこで「ジョオウミノウミウシ」と同様に「相模湾産後鰓類図譜」で調べてみたところ、ほぼ同じウミウシの記載がありました(シャクジョウミノウミウシ Facelina anulifera)。
 ただし、体表に現われている白い点の有無や、ミノのワッカの数などの相違があるため、とりあえず「シャクジョウミノウミウシの仲間 Facelina cf. anulifera」としました。

 上がり際に「ミノウミウシ Aeolidiella indica」を見つけましたが、デジカメの電池が完全に切れていて撮影は出来ませんでした。

真鶴・三ツ石海岸で出会ったウミウシたち

イロミノウミウシ Aeolidiella chromosoma ----- 8個体
スプリラ・サラーミカ(学名読み) Spurilla salaamica ----- 1個体
コノハミドリガイ Elysia ornata ----- 4個体
オカダウミウシ Vayssierea felis ----- 多数
アカボシウミウシGymnodoris alba ----- 1個体
オトメミドリガイ Elysia obtusa juv. ----- 1個体
ジョオウミノウミウシ Eubranchopsis virginalis ----- 1個体
オショロミノウミウシ属の仲間 Cuthona sp. ----- 1個体
ユウブランカスの仲間 Eubranchus sp. ----- 1個体
ゴシキミノウミウシ Cuthona diversicolor ----- 1個体
シミツキウミウシ Discodoris lilacina ----- 4個体
アカシタナシウミウシ Dendrodoris fumata ----- 3個体
アカエラミノウミウシ Sakuraeolis enosimensis ----- 1個体
シャクジョウミノウミウシの仲間 Facelina cf. anulifera ----- 1個体
ミノウミウシ Aeolidiella indica ----- 1個体

学名の読み:タユバ・リラキナ ツヅレウミウシ(異名:シミツキウミウシ)
Tayuva
lilacina [Syn. D. concinna]
学名の読み:ジムノドーリス・アルバ アカボシウミウシ
Gymnodoris
alba
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:デンドロドーリス フマータ クロシタナシウミウシ
Dendrodoris
fumata
学名の読み:エウブランクス ウィルギナリス ジョオウミノウミウシ
Eubranchus
virginalis
学名の読み:エウブランクス ウィルギナリス ジョオウミノウミウシ
Eubranchus
virginalis
学名の読み:エウブランクス ウィルギナリス ジョオウミノウミウシ
Eubranchus
virginalis
学名の読み:エウブランクス ウィルギナリス ジョオウミノウミウシ
Eubranchus
virginalis
学名の読み:エウブランクス ウィルギナリス ジョオウミノウミウシ
Eubranchus
virginalis
学名の読み:エウブランクス ウィルギナリス ジョオウミノウミウシ
Eubranchus
virginalis
学名の読み:スプリッラ  クロモゾーマ イロミノウミウシ
Spurilla
chromosoma
学名の読み:スプリッラ  クロモゾーマ イロミノウミウシ
Spurilla
chromosoma
学名の読み:スプリッラ サラアミカ スプリッラ サラアミカ(学名読み)
Spurilla
salaamica
学名の読み:スプリッラ サラアミカ スプリッラ サラアミカ(学名読み)
Spurilla
salaamica
学名の読み:スプリッラ サラアミカ スプリッラ サラアミカ(学名読み)
Spurilla
salaamica
学名の読み:サクラエオリス エノシメンシス アカエラミノウミウシ
Sakuraeolis
enosimensis
学名の読み:ファケリナ アヌリフェラ シャクジョウミノウミウシ
Phidiana
anulifera
学名の読み:ファケリナ アヌリフェラ シャクジョウミノウミウシ
Phidiana
anulifera
学名の読み:ファケリナ アヌリフェラ シャクジョウミノウミウシ
Phidiana
anulifera
学名の読み:クトナ オショロミノウミウシ属の仲間5
Cuthona
sp. 5
学名の読み:クトナ オショロミノウミウシ属の仲間5
Cuthona
sp. 5
学名の読み:クトナ プピラッアエ コマユミノウミウシ
Cuthona
pupillae
学名の読み:クトナ ディウィルシコロル ゴシキミノウミウシ
Cuthona
diversicolor
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa
学名の読み:エリシア オブトゥサ オトメミドリガイ
Elysia
obtusa



画像をクリックすると大きな画像とウミウシのデータが表示されます