2003/9/18 八丈島 ナズマド
天気:晴時々曇り 水温:約28.5℃
八丈島2日目、1本目は昨日と同じくナズマドに入ります。
この日は「馬の背」という根に一気に行く予定だったのですが、入って直ぐに「ウロコウミウシ属の仲間 Cyerce sp.」を見せてもらい、始めから私が立ち止まってしまいました。
それが、そもそもの間違いだったのですね・・・その場所からウミウシ探しが始まってしまい、馬の背にはたどり着けませんでした・・・ごめんなさい。
でも、ウミウシは昨日と同じく多かったです。
昨日はコンシボリガイで、今日は「ベニシボリガイ Bullina lineata」をみることもできました。
いままで、じっくり撮影する機会がなかったのですが、今回はじっくり撮影させてもらいました。
「ジャノメミノウミウシ Limenandra nodosa」も居たのですが、八丈島では初めて見ました。慶良間や西伊豆の浮島でも確認しています。
浅い水深の岩の上に「ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni」がいました。
ミヤコウミウシには、各地で何度も出会っているので珍しくはないのですが、八丈島では初めて出会いました。
とてもキレイな個体で、一瞬別のウミウシかと思ったほどです。
エントリー場所付近の石の裏側に「シミツキウミウシ Discodoris lilacina」がいました。
このウミウシも磯の潮溜まりや大瀬崎の浅瀬では一般的な種なのですが、八丈島では初めてみました(過去の八丈島ではこのような場所を探さなかったというのもあるのですが)。
皆がエキジットしたあと、申し訳ないと思いながらも粘ってウミウシを探していると、カンランウミウシのような個体が岩の上から見付かりました。
一瞬、「カサノリタマナウミウシ?」と思いながらも、サイズが小さいため(約5mm)、肉眼では確認できません。
みんなは既に上がっているため、かなりあせりながら数枚撮影してエキジットしました。
自宅に帰ってから奄美大島の個体と比較したところ、八丈島の個体は「カサノリタマナウミウシ Mourgona osumi」であることがわかりました。
黒潮による分布と考えれば、八丈島にいても不思議は無いのですが、ちょっとビックリしました。いるものなのですね。
その他のウミウシは私は撮影しただけで、ほとんどコウタローさん、モグリッチョさんに見せていただきました。
八丈島・ナズマドで出会ったウミウシたち
コトヒメウミウシ Goniodoridella savignyi ---- 1個体
リュウグウウミウシ Roboastra gracilis ---- 1個体
オキナワキヌハダウミウシ Gymnodoris okinawae ---- 2個体
シミツキウミウシ Discodoris lilacina ---- 1個体
キカモヨウウミウシ Chromodoris geometrica ---- 2個体
セトイロウミウシ Chromodoris decora ---- 1個体
ダイアナウミウシ Chromodoris dianae ---- 1個体
ミヤコウミウシ Dendrodoris denisoni ---- 1個体
サキシマミノウミウシ Flabellina bicolor ---- 3個体
セスジミノウミウシ Flabellina rubrolineata ---- 1個体
ハクテンミノウミウシ Flabellina riwo ---- 1個体
ジャノメミノウミウシ Limenandra nodosa ---- 1個体
ハクセンミノウミウシ Cratena lineata ---- 1個体
ウロコウミウシ属の仲間 Cyerce sp. ---- 1個体
カサノリタマナウミウシ Mourgona osumi ---- 1個体
ベニシボリガイ Bullina lineata ---- 1個体
アカボシツバメガイ Chelidonura fulvipunctata ---- 2個体
2003/9/19 八丈島 底土
天気:晴れ 水温:約28.5℃
2本目は、昨日と同じく乙千代ケ浜に行く予定でしたが、接近中台風の影響か既に海況が悪いとのことで、反対側に位置する「底土」に入りました(数日後、この台風15号が八丈島に大きな被害を与えるなど、この時は想像もつきませんでした)。
底土も時期によりウミウシの多い場所なのですが、ここ最近はちょっと少なめということです。
それでも「ネオンモウミウシ Costasiella sp.」が大量発生しているとのことなので「それだけでも見られればいいかな」というつもりでエントリーしました。
しかし、いざ潜り終わってみれば沢山のウミウシたちにであうことができました。
その中でも、念願だった「ブチウミウシ Jorunna funebris」に出会えたのは、最高に嬉しかったです。
しかも大きな個体と小さな個体が寄り添うように一緒にいて、まるで親子のようでした。
このウミウシの、もこもことした「ぬいぐるみ」のような可愛らしさは、実物を見ないと伝わらないかもしれませんね〜
モグリッチョさんが見付けてくださったウミウシも可愛かったです。
ニンジンのようなオレンジ色の体に、白い半透明の二次鰓と触角の付け根の白い縁取りが印象的な個体です。
過去にもほぼ同じ模様の個体が八丈島から見付かっているのですが、その個体には触角の根元の白い縁取り模様が無いようです。
これらの個体は、まだ記載されていないようで、現在のところ「リュウグウウミウシ属の仲間 Tambja sp.」としました。
小さな Phyllodesmium属のウミウシもいました。
当初「ムロトミノウミウシ Phyllodesmium macphersonae」かな?と思ったのですが、ミノの模様から オオコノハミノウミウシの幼体のような気もしてきました。
画像で細部を観察すると、ムロトミノウミウシとは明らかに異なるようです。現在も調査中ですが、今のところは「オオコノハミノウミウシの幼体? Phyllodesmium longicirrum juv. ?」としました。
「ネオンモウミウシ Costasiella sp.」は本当に多かったです。
サイズも5mm位から8mm位までさまざまで、ミノの色も白っぽいものや緑色っぽいものなどいます。
わりと狭い範囲にまばらに生息しているのですが、実はこの中に「テングモウミウシ Costasiella kuroshimae」がいるそうなのです。
コウタローさんに教えてもらっていながらも、撮影後の画像を見ると、テングモウミウシは1個体も写っていませんでした・・・
いや、ほんと、ウォーリーを探せ状態でしたから(いいわけです)・・・
そのほか、いろいろなウミウシを見せていただきました。
ずっとその場所にいたい気持ちでしたが、そういう訳にも行かず、後ろ髪を引かれる思いでエキジット場所に移動しました。
途中、「ゴマフリイロウミウシ Chromodoris aspersa」が居ましたが、過去にも同じ底土で同じような場所・状況で確認しています。なんか、デジャブのような妙な感覚でした。
多忙の為だいぶ端折ってログを書いてしまいました。
時間があるときに追記するかもしれませんが、その他の出会ったウミウシたちについては画像と下記リストを参照してくださいね。
今回の八丈島では、現地ダイバーのモグリッチョさんに、たいへんお世話になりました。
この場を借りてお礼申し上げます。
モグリッチョさん、ありがとうございました(また遊んでくださいね)。
八丈島・乙千代ケ浜で出会ったウミウシたち
リュウグウウミウシ属の仲間 Tambja sp. ---- 1個体
キイボキヌハダウミウシ Gymnodoris rubropapulosa ---- 1個体
ブチウミウシ Jorunna funebris ---- 2個体
ゴマフリイロウミウシ Chromodoris aspersa ---- 1個体
ホクヨウウミウシ科の1種1 TRITONIDAE sp. 1 ---- 1個体
ミルクオトメウミウシ Dermatobranchus sp. ---- 1個体
アエオリディオプシス・ランソンイー(学名読み) Aeolidiopsis ransoni ---- 1個体
オオコノハミノウミウシの幼体? Phyllodesmium longicirrum juv. ? ---- 1個体
ミノウミウシ亜目の仲間 AEOLIDINA sp. ---- 1個体
ネオンモウミウシ Costasiella sp. ---- 多数
テントウウミウシ Stiliger aureomarginatus ---- 1個体
アオフチキセワタガイ Philinopsis gardineri ---- 1個体
オハグロツバメガイ Chelidonura inornata ---- 2個体
コナユキツバメガイ Chelidonura amoena ---- 2個体
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